TSUKUCOMM-29
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▲「TSUKUBA宣言2015」▲鈴木淳史教授▲オープニング・セッションの記念撮影9月28日から30日の3日間、つくば国際会議場において、Tsukuba Global Science Week 2015 (TGSW 2015)が開催されました。6回目となる今回は、世界25か国、90機関から200名近い発表者と、1,200名を超す来場者を迎え、全学からエントリーされた30を越えるセッションが行われました。TGSW2015は、本学OBであり、わが国を代表する幹細胞の研究者としてグローバルに活躍されている鈴木淳史教授(九州大学生体防御医学研究所教授 平成26年度日本学術振興会賞受賞)の基調講演で幕を開けました。細胞の運命決定機構の解明を通して、将来的に動物実験に頼らず、幹細胞を使用して薬剤効果を測る可能性について語られ、300名収容の会場に立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。メインセッションのひとつは、本学に新設された「つくば国際スポーツ科学アカデミー(TIAS)」を中心に企画実施された「オリンピック・パラリンピック・ムーブメントへの参画」です。全3部からなる本セッションでは、第1部でニック・フラー氏(国際パラリンピック委員会教育プログラム責任者、2012年ロンドン大会教育プログラム責任者)より、「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント(OPM)」のミッションや沿革、2012年ロンドン大会での推進事例が紹介されました。続く第2部では、ブラジルから招いた高校生2名、特別支援学校の在校生を含む日本の高校生5名から、2016年リオデジャネイロ大会、2020年東京大会に向け、「何ができるか」、「何をしたいか」について発表がありました。それぞれの立場から、共生、ボランティア、物心両面での社会のバリアフリー化、SNSを活用したトランスボーダーなつながりの可能性等について、若者らしい新鮮さ・真摯さにあふれた主張がなされました。第3部のパネルディスカッションでは、フラー氏に加え、特別支援教育の専門家であるラミチャネ・カマル本学准教授や、オリンピックメダリスト(女子柔道)の山口香本学准教授らが、人生におけるスポーツの意義、スポーツ界の性格差問題、嘉納治五郎の現代的意義などをテーマに、それぞれの経験と深い思索に基づいた討論を行いました。また、TGSW初の試みとして、つくばの地に結集した研究者コミュニティによる地球規模課題の克服への決意ならびに多様性や平等の尊重、人と自然との共生といったOPMの理念とも通底する価値観を共有する次世代の人材育成に対する誓いを、『TSUKUBA宣言2015』として公表しました。TGSW2016は、2016年9月17日~19日の3日間、「産官学連携とイノベーション」をメインテーマに開催予定です。TSUKUBA COMMUNICATIONS28

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