TSUKUCOMM-30
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世界唯一の睡眠科学の総合研究所である本学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の林悠助教は、理化学研究所との共同研究で、レム睡眠の機能に迫る発見をし、サイエンス誌に発表しました。私たちの眠りは、レム睡眠とノンレム睡眠という二つのフェーズの繰り返しで構成されています。レムというのは、スヤスヤと安らかに眠っているように見えるのに、まぶたの下で眼球だけが急速に動いている状態Rapid Eye Movement(REM)のことです。アメリカの研究者が1953年に発見しました。その後、この状態の人は夢を見ている場合が多いことと、眠りはレム状態とそうではないノンレム状態の繰り返しであることも分かりました。レム睡眠があるの柔道女子63㌔級能智亜衣美選手(体育専門学群2年)が、11月8日に行われた平成27年講道館杯全日本柔道体重別選手権大会で初優勝を果たしました。準決勝戦は袈裟固で一本勝ち。決勝戦では、9月の全日本ジュニア体重別選手権決勝で敗れた好敵手、鍋倉那美選手を指導1で破り、見事雪辱を果たしました。能智亜衣美選手が平成27年講道館杯全日本柔道体重別選手権大会優勝!睡眠の謎に迫る成果を発表!は、哺乳類と鳥類だけとされています。レム睡眠中の脳波は覚醒時と同じで細かいさざ波、ノンレム睡眠時は振幅の大きい特徴的な波となります。しかし、それぞれの状態が果たしている役割については分かっていませんでした。林助教たちは、レム睡眠とノンレム睡眠の切り替えをつかさどる脳の部位を発見し、その切り替え操作を可能にしたのです。レム睡眠を経験できないマウスを開発し調べたところ、ノンレム睡眠中に特徴的なデルタ波が出現しなくなることが分かりました。デルタ波は、脳の神経細胞同士の活動が同調し、学習や記憶形成が促されている状態だと考えられています。幼児ではこのデルタ波が顕著なことから、脳の発達にも重要だと考えられています。林 悠 助教写真:長田洋平/アフロスポーツTSUKUBA COMMUNICATIONS22

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