TSUKUCOMM-31
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PROFILE井上 拓哉 氏タカラトミー ニュートイ企画企画開発課係長1980年 兵庫県 生まれ2000年 筑波大学芸術専門学群入学2005年 筑波大学芸術専門学群デザイ     タカラトミー(当時:タカラ)2011年 プラレール アドバンス発売 グッドデザイン賞 受賞2013年 アニア発売     「日本おもちゃ大賞2013」共遊玩具部門大賞受賞2015年 リニアライナー発売     「日本おもちゃ大賞2015」イノベイティブ・トイ部門大賞受賞̶ まずは、筑波大学進学の理由から教えてください。 高校で陸上部に入っていて、筑波大学出身の顧問の先生から進学先として勧められました。その時初めて、筑波大学が総合大学で、いろんな選択肢があることを知ったんです。最初は体育専門学群を目指していましたが、絵を描くことも好きだったので、途中から芸術専門学群もいいなと思うようになって。現役の時には落ちてしまったので、芸術の予備校に1年間通い、芸術専門学群を受験しました。̶ 体育専門学群と芸術専門学群を迷うとは、多才ですね。 大学ではヒップホップに熱中しすぎて、学業をおろそかにした時期もありました。卒業まで5年かかっています(笑)。「Real Jam」というストリートダンスのサークルで、「STACK’S」というチームを組んでいました追越宿舎の食堂のガを組んでいました。追越宿舎の食堂のガラスに映しながら、毎日、夜10時から夜中3時くらいまで練習をしていましたね。学生のダンスコンテストBIG BANG !! TOKYO第1回大会で優勝したり、プロのダンサーも競う「JAPAN DANCEDELIGHT」の予選を勝ち抜いて、全国大会に出場したりしました。メンバーのリーダー的な存在だった阿知和真吾さんは、今や日本のトップダンサーですし、岸田力さんもダンスの指導者として活躍されています。̶ 井上さんは、おもちゃの会社で働く道を選んだのですね。 小さい時からずっとおもちゃが大好きで、子どもの頃は食玩を集めていました。ヒップホップにはまっていた頃も、荒川沖にあった「トイザらス」に毎週のように通って、バイト代のほとんどをおもちゃに費やしていましたね。特にフィギュアが好きで、アパートの壁一面に飾っていたので、親や友達が来るとびっくりしていました(笑)。卒論のテーマは「食玩」。就職活動の時にも「食玩を担当したい」と伝えたので、タカラトミー(当時:タカラ)に入社して最初に配属されたのは食玩の部門でした入って1ヶ月で当時トミー部門でした。入って1ヶ月で当時トミーとの合併が決まって、すぐにプラレールの部門に異動になりましたけど(笑)。̶ 卒論が就職に役立ったのですね。 それもあるでしょうし、ポートフォリオ(自己作品集)も出しましたが、私としては、「(ダンスの)チームで協力し合ってチャンピオンになったことで得たものについて」や、「その情熱を今度は御社に」というようなことを強くアピールしたのが良かったのではないかと思います。̶ プラレールの部門に配属されていかがでしたか?プラレールは、57年以上続くブランドで、商品もマーケティング手法もほとんど固定しているので、3~4年は勉強させてもらっているという感じでした。それでも、「何とかイノベーションが起こせないか」と考え、2009年に、「既存のプラレールのレール2本を揃えて走らせる大きな電車で、車両が変形するようなおもちゃを開発したい」と当時の部長に提案してみました。これが、その時に見せたアイデアノートの走り描きと、製品化した「グランドガイナー」のイラストです。そして、「グランドガイナー」の発売後、「2倍ができたのだから、1/2ができないか」と考えて開発したのが、1本のレールに2つの車両を走らせる「プラレール アドバンス」です。「プラレール アドバンス」は、プラレール卒業後の子どもたちの心を掴んで、ヒット商品になりました。企画とシ学生時代はヒップホップに熱中し、学生日本一に輝いたという井上拓哉さん。その情熱をおもちゃに注ぎ、JR東海のリニア中央新幹線開通に先んじて、磁力による浮上と走行を実現したミニチュアリニアモーターカーを開発しました。OBOGTSUKUBA////////////////TAKUYAINOUE部ン専攻 卒業入社グッドデザイン賞 受賞※リニ※リニ※※※アライアライライイイイイライイイイイイライライライライイイイイライライイイイナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナーナーナナナナナーナナナー磁力で浮上し、磁力の反発を使って走る世界初の量産型ミニチュアリニアモーターカー。コントロールステーションでは、スケールスピードの表示や音声案内を行う。「リニアライナー 超電導リニアLO系スペシャルセット」希望小売価格35,000円(税抜き)2015年日本おもちゃ大賞受賞SUUCOUCOSTSUKUBA COMMUNICATIONS10

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