TSUKUCOMM-31
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授業が終わると、子どもたちは誰ともなく青木先生の周りに集まってきます。ノートを見せに来る子、気付いたことを話しに来る子、ただただ先生の手足にまとわりつく子。いわゆる「熱血」というタイプではなく、むしろ淡々と子どもに接しているように見える青木先生ですが、クラス全員で学びを深め成長していこうとする率直な姿勢が、子どもたちに信頼感や安心感をもたらしていることが伝わってくる光景です。国語は、大人になって振り返ると捉えどころのない印象もありますが、思考やコミュニケーションに不可欠な「言葉」を身につける大切な教科。人は、言葉に救われたり、励まされたりする一方、言葉で誰かを傷つけてしまうこともあります。そんな言葉の持つ力を感じてほしい。学生時代から小学校の国語の先生を目指し、一筋に歩んできた青木先生の授業には、その思いが貫かれています。本校に23年在職するベテラン国語科教師の青木先生は、常に冷静で落ち着いた授業をします。急遽、全校児童の前で話をすることになったときでも、何事もなかったように落ち着いて舞台に上がり、落語を披露してくれました。物事に動じない先生です。授業も斬新です。国内で初めて国語授業に「詩のボクシング」を取り入れ、子どもたちの発想力、対応力、表現力を鍛えました。さらに、総合活動では落語に取り組み、伝統文化の体験とともに言葉の感覚も鍛えています。飼育には強いこだわりがあるようです。教室には、自前で1m級の大水槽を設置し熱帯魚を飼っていたり、50㎝ほどの陸ガメやイグアナも飼育したりしていました。動じない冷静さと深い愛情を兼ね備えた、すてきな先生です。森田 和良 副校長まざまな仕掛けが隠されていることが分かってきます。それらが段落ごとに白と黄色の紙に書き分けられて黒板に並べられました。それらをよーく眺めると・・・最初の2つの問いに対する答えとして、きちんと色分けができています。つまり、文章全体が問いを軸にして展開されており、遊び方の事例を紹介する形で答えが示されるという構成になっているのです。説明文の設計図を発見したような驚きが授業を締めくくります。子どもたちはそれから板書をノートに書き写します。カラフルなペンを使って、黒板上に現れたこの説明文の構成を、思い思いのデザインでなぞっていきます。縦書きで右から左へ、という典型的な国語の板書ではなく、上から下へ、中心から外側へという配置や、色使いを工夫して、視覚的に思考を整理できるようなアイデアが詰まった黒板です。て日米対決が開催されました。同時通訳を介し、詩人などがジャッジとして参加しました。団体戦では僅差で米国に敗れたものの、ジャッジが入ることで子どもたちのモチベーションも上がります。詩の創作というと、ハードルが高そうなイメージですが、スタイルは何でもあり。日常の些細なことも題材になるので、慣れると意外と気軽に書けるそうです。高学年では、代表選考予選会を兼ねた授業も行っています。結果はともかく、いろいろな感想ももらえるので、負けたとしても、子どもたちにとって一方的なダメージにはなりません。次回は韓国も加わって3カ国対決が計画されています。鬼ごっこの説明文は、4段落目まで読み進みました。とても平易に書かれた文章ですが、鬼の視点や逃げる人の視点からルールを考えてみると、いつも遊んでいる鬼ごっこにも、ゲームをより楽しむためのさTSUKUBA COMMUNICATIONS15

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