TSUKUCOMM-32
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 金子雅紀さん(人間総合科学研究科 博士前期課程2年)は代表選考を兼ねた4月の日本選手権で派遣標準記録を突破し、リオ五輪行きを射止めた。直前の東京都新春大会で短水路日本新記録をマークし、大舞台で実力を発揮できる選手へと成長している。高校時代の成績はジュニアオリンピック全国5位と実力者ひしめく水泳競技においては輝かしい実績とは言えない。入学当初は周囲の実力に「ビビリまくり」、質の高いトレーニングに「ヘロヘロ」だったのだが、それも夏の合宿まで。技術やトレーニングの目的を理解することで壁を乗り越えた。金子さんの探究心には定評がある。現コーチの仙石泰雄助教(体育系)は、入学当初からの彼の泳ぎを見てきた。研究者としてトレーニングを探究する仙石コーチと、よりよい泳ぎを求める金子さんはともに成長を続けた。 新しい理論は必ずしも成功するとは限らない。しかし挑戦を続けるのは、トレーニング法も選手も進化の途上だからだ。「ありきたりですが、研究と実践が近い筑波大の環境は強み。他の研究室の実験に参加してフィードバックされるデータは貴重です。僕の場合、短い練習時間で効率的にやりたいタイプだし、筑波大の練習は僕には合っています」と語る。実際に授業で出会った自律訓練法を習得するため他の研究室の勉強会にも参加した。今では体の隅々に血液が行き届く感覚がわかるという。レース前、ライバルと待つ控室は一種独特な雰囲気だ。しかし金子さんに特別な準備やルーチンは必要ない。ただ自分の体を感じ、次の泳ぎを想像する。 今や日本中から声援を受ける。次世代のトップを目指すジュニア選手と泳ぐとき、彼らの強いまなざしに「僕が知っていることは全部伝えたい」と思う。「この中から、ふとした拍子に突き抜けられる選手が生まれたらいい。チャンスは必ずある。僕のように」。エールをもらう日本代表は、同じくエールを送る存在でもある。金子さんが応援している人は誰かと問うと、「有名な人ではなくてもいいですか?」と前置きして「同期です」と答えた。「同じくリオでパラリンピック水泳50M、100M自由形に出場する山田拓朗選手、マスコミや企業に就職した同期には活躍が楽しみな仲間がいます。いつかそれぞれが何かを成せたと思えた時、みんなで語り合いたいねって話しているんです」。 リオ五輪は、まだ途中のステップ。目標は「オリンピック準決勝で自己ベスト、決勝でさらにその記録を超えること。それができればメダルに届きます」。勝つための準備を一つ一つ整えたあと、勝利のチャンスはやってくる。金子さんの大きな挑戦を応援したい。金子 雅紀無名の選手から世界の舞台へ水泳200M背泳ぎで、自己新記録・メダルを狙う躍動する!■ 陸上部第95回関東学生陸上競技対校選手権大会 (優勝者)[男子1部] [三段跳] 山下航平(体育4) 大会新 ※リオ五輪参加標準記録突破 [走高跳] 平松祐司(体育2) [4×100mR] 山下航平(体育4)、山下潤(体育1)、東田旺洋(体育3)、魚里勇介(体育4) [女子1部] 総合優勝 24連覇[走幅跳] 山田優(体育4)[三段跳] 剱持早紀(体育4)[ハンマー投] 勝山眸美(体育4) 大会新 [4×400mR] 薬師寺真奈(体育3)、平野綾子(体育4)、新木詩乃(体育1)、松本奈菜子(体育2) 平成28年度関東学生柔道優勝大会 [男子1部] 優勝 [女子5人制] 準優勝平成28年全日本柔道選抜体重別選手権大会[女子63kg級] 能智亜衣美(体育3) 優勝■ バレーボール部春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 優勝【最優秀選手賞】ロジャーズ海(体育4)【Best of support 賞】筑波大学春季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦 優勝【最優秀選手賞】塚田しおり(体育4)2016日本学生陸上競技個人選手権大会[女子400m] 松本奈菜子(体育2) 優勝第32 回日本ジュニア陸上競技選手権大会混成競技[十種競技] 久家俊希(体育1) 優勝■ 柔道部第48回全日本ジュニア柔道体重別選手権大会関東大会茨城県選手選考会(優勝者)[66kg級] 田川兼三(体育2) [73kg級] 五十嵐純平(体育3) [81kg級] 佐々木健志(体育2) [90kg級] 田嶋剛希(体育1)[100kg級] 石川竜多(体育1) [100kg超級] 根津信太(体育3)第19回全日本女子ジュニア柔道体重別選手権大会関東大会茨城県選手選考会(優勝者)[57kg級] 柴田理帆(体育2) [70kg級] 中江美裕(体育1)競技成績・各種発表・コンテスト結果■ベストタイム:1分56秒30(200M背泳ぎ)■オリンピック(競泳)競技日程  予選:8月10日13:00~ 準決勝:8月10日22:00~ 決勝:8月11日22:00~ ※リオデジャネイロ現地時間TSUKUBACOMMUNICATIONS12

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