TSUKUCOMM-32
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学生宿舎に暮らし、授業と週5日のトレーニング。瀬立モニカさんは今年4月に本学体育専門学群に入学し、今や、すっかり「体専(タイセン)」らしい日々を送っている。飛び抜けているのは、1年生にしてパラリンピックを経験するということ。入学時の目標をすでに一つ、叶えようとしている。リオの大会で初めてパラリンピック正式種目として採用されるカヌーだが、海外では競技人口も多く、体格、パワーは日本選手とは桁違い。それでも「目標は入賞。何より『世界をびっくりさせよう』ってコーチと話しているんです」と瀬立さんは笑う。リオにはメカニック、トレーナー、中学時代から指導を受けてきたコーチと共に挑む。競技艇は持ち込めないため現地調達となる。その際に座席を瀬立さんに合わせて大会までにベストな状態に調整するため、メカニックの役割は重要だ。またトレーナーは理学療法士で動作分析や測定なども行うマルチなスタッフ。コーチとは合宿で部屋を共にする家族同様の信頼関係だ。「チャレンジできるのは、周りの方々のおかげです。大学でも、実業団選手を経て入学した人や医学部を志していた同級生と接して、私も目指していることは諦めないでやってみようと強く思うようになりました」。中学時代、教師に勧められたのをきっかけに競技を始め、「世界を狙うだなんて、全く考えてもいなかった」のだが、ケガで運動機能に障害をもってから再びこの競技に出会う。「経験があったから何とか乗れました」というのは、競技用の艇は底が細く、バランスをとるのが非常に難しい。運動障害がある場合は艇と体を固定するため、転覆すれば命にかかわる。競技者は、その危険と恐怖に立ち向かい、自らの可能性を出しつくす。障害者カヌーが「パラマウント(=最高の)チャレンジ」と呼ばれる由縁だ。200Mのタイムを競うスプリントレースでは、いかに水を捉え素早くスピードに乗れるかがカギとなる。瀬立さんはスタート時に「出遅れた」と強く意識しすぎて惜敗した経験から、メンタル強化を課題としている。授業で、「レースに勝つことではなく、レースに臨む自分の姿そのものに、社会的な価値を見出すことで、緊張に支配されなくなる」と教わり、それをきっかけにアスリートとして社会貢献を考えるようになった。「私がリオ・パラリンピックで経験する選手村や、開会式のことなどを大会後に子どもたちに話したい。カヌーの難しさと面白さ、パラアスリートの凄さを伝えたいです」。瀬立さんはリオにフォーカスしつつ、その先の東京大会を見据えてチャレンジを続けている。「世界を驚かせたい」パラマウントチャレンジカヌーで可能性を魅せる瀬立モニカ撮影:越智貴雄/カンパラプレス筑波大生■ 男子バスケットボール部 第65回関東大学バスケットボール選手権大会[男子] 優勝[最優秀選手賞] 馬場雄大(体育3)[優秀選手賞] 満田丈太郎(体育4)、杉浦佑成(体育3)■ 水泳部第92回 日本選手権水泳競技大会(兼第31回 リオデジャネイロオリンピック競技大会代表選手選考会)[男子200m背泳ぎ] 金子雅紀(院2)2位 ※リオ五輪出場決定2016年度関東学生水球リーグ戦 準優勝■ 女子ハンドボール部関東学生ハンドボール連盟2016春季リーグ戦 準優勝 [優秀選手賞] 岩﨑成美(体育4)[特別賞] 田村美沙紀(体育4)[優秀新人賞] 河原畑祐子(体育2) ■ 体操第49回東日本学生体操競技選手権大会 [女子団体] 総合2位(跳馬3位、段違い平行棒2位、平均台2位、ゆか2位)[個人] 井上和佳奈(体育3) 3位■ サイクリング部第32回全日本学生選手権個人ロードレース大会 優勝[女子個人ロードレース] 梶原悠未(体育1) ■ パラカヌー2016パラカヌー世界選手権大会[女子スプリントKL1] 瀬立モニカ(体育1) 10位 ※リオ大会出場決定■ 硬式野球部2016年度首都大学野球連盟春季リーグ戦 準優勝 ■ 剣道部 第62回関東学生剣道選手権大会準優勝 加納彰大(体育4)■ 蹴球部JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦1部 準優勝 ■ 筑波大学E.S.S.JNDT(Japan National Debate Tournament) 34th(2016)全国大会 優勝山川遼(国総3)、飯田祐大(社会3) ■戦績   2016年世界パラカヌー選手権(ドイツ)女子KL1 10位■パラリンピック(カヌー)競技日程 予選:9月14日9:00~ 準決勝・決勝:9月15日9:00~ ※リオデジャネイロ現地時間TSUKUBACOMMUNICATIONS13

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