TSUKUCOMM-32
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新年は春の芽吹きとともに サラーム、こんにちは。私はイランの首都テヘラン出身のニルファーです。昨年10月から人間総合科学研究科の研究生としてシンクロナイズドスイミングと日本語を学んでいます。イランには数多くの世界遺産やおいしい料理もありますが、今日はぜひ、みなさんにイランの美しい伝統文化をご紹介したいと思います。 私の故郷テヘランは高層ビルが建ち並ぶ都会です。そんな街に住む人々の生活の中にもペルシャ時代からの文化が息づいています。 その一つに日本の「お正月」によく似た風習があります。ただしイランのお正月は3月で日本の春分の日に当たります。太陽が地面を照らし、草花が芽吹き、命が躍動する季節に「万物は生まれ変わる」と考えられ、そこから新しい1年が始まります。元旦から12日間、各家庭では「ハフトスィーン」と呼ばれる正月飾りをします。ハフトスィーンには頭文字に「S」の付く7つの物を飾ります。どれも命を大切に思う願いが込められています。その他にも家庭によってロウソクやコーランなども飾ります。カラフルに色付けされたタマゴは、「世界にはさまざまな人種がいて、いずれもかけがえのないものである」という意味が込められています。そして元旦から13日目、私たちはみんな、家族や親しい友人と「初詣」に出かけます。自然と人の友好を結ぶことが厄払いだと考えられているので、ただ散歩をしたり公園でゲームをしたり穏やかに屋外で過ごして、1年の平和を祈ります。素敵だと思いませんか?所属:人間総合科学研究科 体育学専攻 研究生趣味:YouTubeでシンクロナイズドスイミングの演技を観ることBehrad Niloofar さんベヒラード・ニルファー本学には、100を超える国から、約3千人の留学生が訪れています。このコーナーでは、本学の留学生から、出身国の自慢の場所や風景、食べ物など、多岐にわたって紹介していただきます。イランテヘランエスファハーンヤズドシーラーズトルクメニスタンアフガニスタンパキスタンアラブ首長国連邦オマーンサウジアラビアイラクトルコシリア◉◉◉◉テヘランエスファハーンヤズドシーラーズハフトスィーン『シャー・ナーメ』の長い物語いつも眺めていたお気に入りの画集15

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