TSUKUCOMM-32
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 精神医療では、対象者・患者さんが自発的に医師を訪ねないこともあります。自分ではこころの不調に気付かないこともしばしばです。いつもと様子が違うことに気付くのは周囲の人たち。そこから医師、医療へとつながっていきます。これも医療のリレーです。災害時は、避難所にいる保健師などが目を配っていますが、日々の家庭や職場でも同じです。こころの健康には、日常的にコミュニティの中で互いに気連精神障害、認知症、トラウマ関連障害、睡眠障害など幅広い精神医療も必要とされます。DPATは、避難所や病院を回って医療活動にあたりますが、その期間だけで治療が完結するわけではありません。次のチームへ橋渡しをし、だんだんと近隣エリアのチームへ、そして最終的には地元の医療体制の中へと引き継ぎます。バトンをつなぎながら長距離を走るリレーのような活動です。ト業務を担う人材からなる、専門的なチームです。 筑波大学でも2チームを結成し、研修や訓練を重ねて整備を進めていた矢先に発生したのが熊本地震でした。DMATはすでに全国で1000以上のチームがあるのに対し、発足間もないDPATはまだ100チーム程度。約25チームが1~2週間ずつ交代で活動しますから、まさにオールジャパンでの支援です。もちろん筑波大学からも、県立こころの医療センターとの協力で3チームが招集・派遣されました。■ 医療をつなぐ長距離リレー 「72時間の壁」と言われるように、災害時の人命救助は最初の数日間が勝負です。しかしこころの支援は、その後に長く続いていくもの。被災のショックはもとより、うつ病、アルコール関▲拠点本部で全国のDPATチームと活動TSUKUBACOMMUNICATIONS06

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