TSUKUCOMM-32
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1976年福島県会津若松市 生まれ1995年筑波大学第二学群生物資源学類入学1999年      〃       卒業 〃日本菓子専門学校入学2000年日本菓子専門学校卒後、都内ベーカリーで修行2004年ドイツ・ケルンで修行2005年帰国2006年「BäckereiBROTZEIT」開店PROFILE菅原 大輔 氏Bäckerei BROTZEIT 店主̶ もともとベーカリーや食品業界に興味があって、本学の生物資源学類に入学したのですか? そういうわけではなくて、食品というよりはどちらかというと環境問題に少し関心がありました。高校生の頃に『森の生活』という本を読み、著者のヘンリー・デイヴィッド・ソローが森の中に丸太小屋を建てたり、自給自足の生活をした経験が描かれているのですが、それがとても面白くて、進学先として生物資源学類に行ってみようかなって。ちょうど生態系の保護に関心が高まった時代でした。でも大学時代はそんなに熱心に勉強をしたわけでもなくて、好きな音楽を聴いたり、同好会でサッカーをしたり、アルバイトしたり、フワフワした時間を過ごしていましたね。それで就職活動をするっていう選択肢もなく、大学院への進学を決めました。無事に合格して指導教官に挨拶に行って、話を聞いているうちに「すみません、やっぱり辞退します」ってなって。̶ え、進学しなかったのですか!? はい、2年間これを続けるのは無理だなって。かといって何がしたいっていう具体的なプランがあったわけでもなく、ただ、音楽も食べることも好きだったので、カフェのような「場」を作れたらと思っていました。それで、子どもの頃から近所付き合いのあった『ウィーン菓子シーゲル』(つくば市千現)店主の川中子茂さんに「自分の手で何かを作る仕事をしてみたいんだ」なんて、漠然とした将来像を相談したら、「それなら、製パンとか菓子の専門学校に行ってみたらどう?」ってご紹介いただきまして、情けないのですが、とにかくやってみようという思いで親に通わせてもらいました。̶ 大手メーカーや大規模店への就職は考えなかったのですか? 専門学校の仲間たちは就職活動をするんですけど、僕は考えませんでした。海外の大学のある街って、小さな素敵な店がいっぱいあるのに、なんでつくばには少ないのかなと…。それならばいつか自分の育ったこの街で小さなパン屋をやってみたいと思うようになっていました。専門学校を卒業してからは、東京で魅力的だなと思ういくつかの店で修行しました。長い労働時間の中でヘトヘトでした。その後、ドイツのケルンで1年半修行しました。そこでの職人の暮らしぶりはまた、日本とは違っていて筑波大学の追越学生宿舎からほど近くに、小さなオーガニックベーカリーがあります。「Bäckerei BROTZEIT(ベッカライ・ブロートツァイト)」は、パンの街つくばの人気店の一つで、週末になると県外からも客が訪れます。パンの味の秘訣は、菅原さんの人柄に息づくリベラルアーツにありました。OBOGTSUKUBA////////////////DAISUKESUGAWARA「パンは人生だ」TSUKUBACOMMUNICATIONS08

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