TSUKUCOMM-33
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みんなで答えた後は、列ごとに一人ずつ発音を確認します。このようにして授業中に全員が発音する機会を作っています。黒板上には次第に「サザエさん」の家系図ができあがっていきます。教科書にも似たような教材はありますが、より親しみのある図柄の方が、生徒の注目を惹くのは明らかです。発音と同時に、thisとthatとitの使い分けなど、細かな文法にも注意を払います。些細なことのように思えますが、大切なポイントです。生徒たちも、きちんと学びたいという意識が高いので、曖昧な指導は禁物。myとyourのコンセプトを徹底的に学習したり、挨拶の練習に時間をかけたり、普通なら簡単に済ませてしまいそうな部分に、まずフォーカスします。最初の段階で基礎の基礎に丁寧に取り組めば、その後の学習でつまずきにくくなるのです。ん。題材を自分で選び、登場人物ごとに声色を変えたり、演技も加えたりと、ちょっとした演劇パフォーマンス大会です。発音やリズム、発表態度などを生徒同士でも評価し、優秀発表者の投票が行われます。前回よりも上達した部分、つまり、頑張ったことも評価の対象になるので、下位の生徒もモチベーションが上がります。楽しませるための演出はもちろん、他の人の発表を聞くというトレーニングにもなります。さて、今日の本題は「Who is ~?」の使い方の復習です。見覚えのある人物のシルエットが書かれたカードを掲げて「Who is this woman?」- カードを裏返すとクラスの答えは「She is Sazae! She is Namihei's daughter.」。「Hello, Mr. Koinuma!」「Hello, everyone!」 元気な挨拶で英語の授業が始まりました。日付や天気などのやりとりがリズミカルに続きます。これは全校共通のルーティン。4人の英語科教員が同じ教材を使い、授業の進捗も合わせています。担当の先生が変わったりクラス替えがあっても、スムーズに学びを継続できる仕組みです。挨拶の後、「Reading Show」の結果が発表されました。これはクラス単位で全学年が行う英語の音読テストです。音読とはいっても、単なる読み上げではありませ本学には11の附属学校があります。それぞれの分野でわが国の教育をリードしており、全国でも有名な先生たちが大勢います。各学校で活躍する名物先生を紹介いたします。23VOL.23 名物先生登場!附属学校の1961年、埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、埼玉県立毛呂山高等学校、埼玉大学教育学部附属中学校勤務を経て、平成7年度より現職。担任した学年を5回卒業させ、現在は研究部長。他に、埼玉大学教育学部「英語科指導法」講師、中学校教科書『NEW HORIZON』(東京書籍)及び雑誌『指導と評価』(図書文化)の編集委員を務めている。筑波大学附属中学校 主幹教諭肥沼 則明 教諭こいぬま のりあき1年2組のみんなとTSUKUBA COMMUNICATIONS10

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