TSUKUCOMM-33
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国民の義務?大人は3週間のお休み 夏は国民みんなが一番楽しみにしている季節です。ノルウェーでは「Fellesferie」という休暇制度があり、法律で労働者は6月1日から9月30日の間に連続して3週間の休みを取る権利が保障されています。子どもたちの夏休みにあわせて、普段は働いている両親も休暇を申請し、家族一緒にバカンスを過ごします。もちろん、子どもたちには、夏の宿題なんてありません!森の別荘で過ごす何もしない特別な時間 10月にも1週間の秋休みがあります。8月から新学期が始まって、緊張続きの子どもたちにとっては待ち遠しいお休みです。 森が豊かに彩られる秋休みは山の別荘で過ごします。日本で別荘というと贅沢な響きがありますが、ノルウェー人はみんな山小屋が大好きで、自宅とは別に森に小さな山小屋を持っている人がたくさんいます。木造の簡素な造りで、シャワーやトイレはないところもあります。 家族や親しい友人と一緒に、散歩をしたり、ストーブに薪をくべたり、たくさんおしゃべりをしたり、特別なことは何もしないひとときは、心からリラックスできます。家庭料理はお刺身とパン 母が日本人なので、ノルウェーにいたころから和食に親しんでいました。日本に来て、やっぱり母の日本食は本物だったなと思います。食文化の違いで困ることはありませんが、故郷の味が恋しいのも確かです。特に、ノルウェーサーモンとパン。 新鮮なサーモンが手に入ると、母がさばいてお刺身にしてくれていましたが、近年は日本食ブームが進んで、ノルウェーでもスーパーで刺身が買えるようになりました。身がしっかりしていて味が濃厚なノルウェーサーモンの刺身は、私にとって日本とノルウェーのいいところを凝縮したソウルフードです。 それからパン。日本人が海外でお米が恋しくなるように、いつも食べていたパンの味は忘れられません。帰省するときにはスーツケースに詰め込んで、入るだけ持ち帰ってきます。冷凍して少しずつ大事に、食べています。いいヘラジカが入ったよ! 秋には、知り合いのつてでトナカイやヘラジカの肉をもらってきます。うまい具合に毎年、近所の誰かが「いいヘラジカ肉があるよ」と調達してくれるのです。それを母がシチューやグリルにしてくれました。 あまりホームシックにはなりませんが、独立記念日とクリスマスはお祭り色が豊かなので、「今だけノルウェーに居られたら」と思いながら大学のテストやレポートに追われています。 でも大丈夫。大学時代は短いから、日本の生活を目いっぱい満喫します。秋休み、犬と野山散策サーモンといえばこの感じですバルコニーでランチ!CH/visitnorway.comフィヨルドにかかる虹ヨットクラブのみんなでホットドックパーティ山小屋は休日のリビングルームTerje Rakke/Nordic Life AS - Visitnorway.com.14

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