TSUKUCOMM-33
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■ 政治の話をしよう 18歳選挙権が導入され、若者が政治に関与する機会が増えています。とは言え、社会とのつながりが少ない彼らには、より良い政策を選ぶ尺度がなく、関心を持ちにくいのも仕方のないこと。けれども見方を変えれば、政治や社会に対する純粋な理想や理念に基づいた投票行動がしやすいとも言えます。 ある政策が良いと思っても、それが他の政策と相反することもあります。優先順位をつけるにしても、妥協点を見出すにしても、トータルとして築かれる社会の様相を見極めなくてはなりません。そのためには、どの政党がどんな政策を提案しているかを学ぶことが不可欠です。なんとなく避けてしまいがちな政治の話題ですが、イデオロギーは、普段から考え、議論を積み重ねることで培われていくものです。 自分の主張や要求を政策に反映させるには、ある程度の規模の集団として有権者の存在を示すことも必要です。最近は、デモを行ったり、ネットの書き込みから論争が広がったりするなど、政治参加の手法も多様化しています。こういった動きは、いずれ投票へとつながりますから、政治家も無視はできません。そう考えると、有権者が政治に及ぼす影響力は皆さんが考えるほど小さくはありません。 政治は時代の流れとともにダイナミックに動いています。その中で、政党や有権者の考え方も変わっていくはずです。従来のイデオロギーの枠組みが変容し、新しい対立軸が形成されていくプロセスを、様々な意識調査と緻密な分析を通じて注意深く見つめています。河合塾と本学が実施した「学問本オーサービジット」の取り組みで、開成中学・高校の生徒たちと、著書『イデオロギー』を読んで語り合いました。河合塾・高校生サイト『みらいぶプラス』よりTSUKUBA COMMUNICATIONS07

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