TSUKUCOMM-35
18/32

 多くの自転車選手が専門競技に特化するなか、梶原悠未さんはトラック(中距離)とロードの2種目で日本自転車競技連盟の強化指定選手に選ばれ、2月に日本代表として出場したトラックのアジア選手権(インド開催)ではオムニアムで金メダル、続いてバーレーンで開催されたロードレースのアジア選手権では個人タイムトライアルで銅メダルを獲得した。 「トラックで身に付くスピード感覚、ロードで磨かれる集団走行のセンスなどはどちらも今の私にとって重要です。3年後のピーキングを見定め、最終的に種目を絞るとしても、できる限り両立してトレーニングに生かしていければと考えています」と語る。もちろん、目標は2020年東京五輪での表彰台だ。 母校、附属坂戸高校では、初心者から2ヵ月でインターハイ出場、1年後には初出場のアジアジュニア選手権で2種目準優勝、さらに半年後の同大会で5種目優勝という記録を残した。大学や実業団から注目を集める存在となった梶原さんが、あえて自転車競技で強豪チームを有さない本学に進学したのには理由がある。 「高3になって自転車競技をどの環境で続けるかと考えたときは正直すごく迷いました。色々な大学の先輩に何度もお話を伺いました。インカレを目指して活動するクラブはどこも魅力的でした。でも私が目指すのは世界で活躍することです。インカレの先に照準を定める大学チームはありませんでした。ならば自分が強くなれる環境を自ら作りだすことで、人としても選手として成長できるのではないかと。最終的に決心したのは、それが叶うのが筑波だと思ったからです」。 自分を追い込むことが得意だという梶原さんは、授業と代表合宿、海外遠征とハードな日常のなかで最適なトレーニングを模索し、新たな道を拓こうとしている。東京五輪を見据えて、今年は「W杯でメダル」を目標に掲げ、ひたむきにつくばの、そして世界の道を走る。18’16シーズンは、全日本学生選手権トラック自転車競技大会3冠(3km個人パーシュート日本新記録)、ACCトラックアジアカップ3冠、ジャパンカップロードレース優勝、全日本選手権オムニアム優勝。ロード、トラック(中距離)の強化指定選手。好きな授業は体育測定評価学、統計や動作分析が面白いから。体育専門学群2年 梶原悠未さん サイクリング部自分で考えて追い込んでいける選手は、ロードの環境が良いつくばはお勧めです。強い意志と目標を持っていれば、いろんな扉が開きます後輩にひとことひたむきに、前へ筑波大

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る