TSUKUCOMM-36
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 2017年シーズン、昨年のインカレを制した蹴球部への注目度は高い。その中でも2年生ながら、今期の飛躍を期待されているのが三笘薫さんだ。空中でボールを捉えるバランス、柔らかなトラップ、繊細なボールタッチでディフェンダーを抜き去るドリブル、大小使い分ける精度の高い大胆なパス。サイドで三笘さんがボールを持てば、観客はワクワクしながらボールの行方を追う。 6歳からサッカーを始め、川崎フロンターレのジュニア第1期セレクションに合格した。U-18まですべての年代で同チームの育成選手として所属、当然トップチームへ昇格すると思われていた。しかし選んだのは本学への進学、なぜか? 「まだプロ選手になるには足りないものが多すぎると思いました。将来、プロ選手としてやっていくためには、筑波大で運動に関する専門的な勉強をしながら、社会性を高め、サッカー技術や運動能力を養える4年間が必要だと思いました」。 本学蹴球部の特徴に、選手のコンディションを最適化するピリオダイゼーションを重視したトレーニング、短時間で効率的な練習、選手の個性に応じて変幻する多様な戦術、が挙げられる。三笘さんは今、最先端のサッカーに触れていると実感している。加えて、部員自らが主体的に部を運営することで生まれる一体感は、学生ならではの喜びだと語る。 チームはシーズンを通じて勝ち点を取り続けることを目標に、『常勝』のスローガンを掲げる。前期リーグ途中、三笘さんの2枚のイエローカードによる退場が影響して敗戦を喫した試合がある。「僕の不用意なプレーで連勝が途絶えることになってしまって、蹴球部はもとより筑波大に関わるすべての人に申し訳ない思いでいっぱいでした。自覚と誇りを持って、昨日の自分に勝るように努力を重ねなくてはと思いました。立ち止まることなく、練習や試合で信頼を取り戻し、揺るぎないものに変えていきたいです」。 絶対的な選手になる。ぶれない決意はピッチに描かれる。12筑波大トップチームの9番、MF。川崎生まれ。持ち味は鮮やかなドリブル、目下の課題は得点力と運動量と語る。小学生チーム手代木SCでコーチも務める。好きな選手はネイマールとメッシ。好きな授業は運動生理学、「筋肉や骨から運動の仕組みが理解できて面白い」から。体育専門学群2年 三笘薫さん 蹴球部目の前のことに向上心を持って全力で取り組んでこそ、その先の高い目標につながると思います。僕自身、成長を感じているし、まだまだ伸びると信じています後輩にひとこと今を全力で

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