TSUKUCOMM-36
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 筑波大学と都内FM局J-WAVE主催の音楽とテクノロジーの融合イベント「INOVATIONWORLD FESTA 2017(以下、イノフェス)」がつくばカピオで開催された。きゃりーぱみゅぱみゅや田原総一朗など各界著名人が多数出演し、およそ3,800人が来場した。 発起人は大学院生の澤田悠太さん。高校時代はバンド活動に夢中だったが、次第に音楽ビジネスに関心を持つようになった。イノフェスの原点は、アメリカの地方都市オースティンで開催される、音楽・映像と最新テクノロジーの複合イベント「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」※だ。学類生の頃、現地を訪れ、その規模と熱気に圧倒された。 「いつか『つくば版SXSW』を実現したい」。つくばには多くの研究者や学生が暮らし、新しいテクノロジーに興味を持つ人は多い。これに、音楽の持つ親しみやすさや影響力が加われば、きっと新しい「なにか」が生まれると考えていた。 学園祭にメジャーバンドを招致する活動を通して、音楽イベントの運営に興味のある仲間を探し、学内の起業家育成講座では、構想を企画書にまとめていた。音楽ビジネスを学び、学外の人脈も広げる中で、J-WAVEの担当者と意気投合し、ついに「つくば版SXSW」は、実現に向けて動き始めた。澤田さんは、学長に直接会ってイベントの趣旨を説明し、理解を得ることに成功。筑波大学のイノフェス共催が決まった。 イノフェスはまだ2回。つくばのイベントとして定着させるには、企画・運営を支える学生スタッフの関わり方が鍵だ。「今年は80人余りの学生がスタッフとして参加しました。ナレーション、映像制作、演出など、いろいろな才能の持ち主がいることに驚きました。それぞれのスキルが集まって、みんなで作り上げた実感があります。ただ、継続のための仕組みや体制も整備しないと」と語る。 当日限りのお祭りではなく、ここで試したことが他のアイデアに繋がっていく、イノフェスがそんな場になることが、澤田さんの理想だ。TSUKU COMM 13アリーナで観客の様子と進行を確認会場を歩きまわり、スタッフに指示を出すイノフェスの発起人で同イベントの学生代表。好きな授業は「マーケティング工学」、好きな場所は「第3エリア」特に食堂。将来の夢は、音楽をもっと多くの人に届けるためのビジネスモデルを作ること。イノフェス学生代表澤田悠太さんシステム情報工学研究科(博士前期課程)社会工学専攻社会工学学位プログラム2年筑波大のキャンパスは大学生百科事典です。いろいろな能力を持っている人が必ずいて、しかもそのレベルが高い!1人ではできないことでも協力すれば実現できる場所です後輩にひとことSXSW:10日間で20万人を集める、世界最大のマルチメディアの祭典。音楽や映像、エンターテイメントに関連する最新技術がトークセッション、展示、ライブなど様々な形式で発表される。※実現する行動力

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