TSUKUCOMM-36
14/28

●ものづくりに憧れて日本へ インドネシアの首都ジャカルタから車で1時間半ほどの距離にあるバンドンという町で生まれ、バリ島で育ちました。高校卒業とともに、日本政府(文部科学省)奨学金留学生の資格を得て、東京の日本語学校に1年通い、富山高等専門学校(以下、高専)に進学しました。 私は、バリにいた頃から日本のものづくりに憧れていました。どんな働き方、考え方の元に日本がものづくり大国になったのか、それが知りたくて日本を目指しました。 高専では物質・材料分野を専攻しました。もちろん授業は日本語です。専門用語などでは苦労しましたが、そのおかげもあって大学の編入試験に合格することができたと思います。筑波大学に受験で訪れた際に、自然に囲まれていて勉強に集中できそうな環境を見て「ぜひここに来たい」と思いました。他の大学にも合格していましたが、筑波大に決めました。 筑波大には留学生が多いので、外国人が特別な存在ではなく、自然に過ごせるのが心地良いです。研究室の友人や先生方が、さまざまな人種、私のようにヒジャブをしている学生に対しても、食事の制限やお祈りの時間などそれぞれの文化に対して配慮をしてくれて、優しさを感じています。●驚きの連続。日本の「就活」 いま私は就活真っただ中です。就活は日本のものづくりをより深く知る機会になっています。これまで自動車のような機械製品の品質には注目していましたが、哺乳瓶のような身近で小さな加工製品にまで高度な技術が施されていることを知って、改めて感心しました。 留学生向けの就職セミナーや合同説明会なども開催され、外国人の採用に積極的な企業も多いことがわかりました。日本で就職して、いつか日本とインドネシアの橋渡し役として母国に貢献することが私の夢です。 日本の就活のシステムは複雑です。例えば一度に複数の会社にエントリーするところ、それぞれの選考スケジュールにあわせて、会社ごとに違う方法の選抜に対応しなくてはいけないところなどです。みんなはどうやって管理しているのかとふしぎになります。エントリーシートが郵送だったりWEBだったり、テストが個別だったりテストセンターに行かなくてはならなかったり。日本人学生には30~50社受験する人もいると聞いています。どうしたらそんなことができるの? 服装や書類の送り方など細かいことは学内のマナー講座を活用したり、友達に教わったりしています。14 TSUKU COMMインドネシア共和国物性・分子工学専攻の研究室仲間と就活スタイル「就活」を通して見えた日本のふしぎHeland本学には、100を超える国から、約3千人の留学生が訪れています。このコーナーでは、本学の留学生から、出身国の自慢の場所や風景、食べ物など、多岐にわたって紹介していただきます

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る