TSUKUCOMM-37
10/28

■家庭科から発展した「グローバルライフ」 附属坂戸高校(筑坂)には、1年次の全クラスで同じ科目の授業が行われる時間があります。しかし各クラスを覗いてみると、「日本食(和食)」「休日ファッション」「パーム油」「ホームステイ」と、それぞれ異なるテーマの授業が進んでいます。授業スタイルも、通常の講義形式あり、グループディスカッションあり、と一見バラバラですが、これが「グローバルライフ」の授業です。 海外での和食のイメージや和食がユネスコ無形文化遺産に登録された理由から、日本の食文化について考える食分野、いつも着ている服の素材や産地、手入れの方法などを調べ、それがどのようにして自分の手元に届いたのかを考える衣分野、食品や日用品にたくさん含まれているパーム油から、途上国の問題を考えるグローバル課題、ホームステイで外国人を受け入れることを躊躇してしまう理由を挙げ、誰もが住みやすい社会について考える多文化共生、これら4つの分野を、1年を通して順番に学んでいきます。すべて学び終えた時には、これらの分野が互いに関わりあっていることも理解するでしょう。 グローバルライフは、家庭科を基礎として構成された授業です。そう聞くと、意外な感じを受けるかもしれません。家庭科は本来、自分がよりよく暮らしていくための知識やスキルを得るための教科ですが、その根底にある衣食住、家族や消費生活、労働や福祉、といった学習要素はどれも社会との関わりが深く、かつ、あらゆる教科との幅広い接点があります。ですから、授業を担当する5人の先生も、家庭科・工業科・地歴公民科とバラエティに富んでいます。視点を少し家庭の外に向けると、世界とつながるさまざまな扉が開く、そんな家庭科の懐の深筑波大学附属坂戸高等学校 SGH研究開発科目「グローバルライフ」本学には11の附属学校があり、それぞれの分野でわが国の教育をリードしています。各学校のユニークな先生や授業、行事などの活動を紹介します。暮らしと世界をつなぎ、 附属学校めぐりスーバーグローバルハイスクール(SGH)社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力などの素養を身につけ、将来、国際的に活躍できるグローバル人材の育成を図ることを目的に、文部科学省に指定された高等学校。現在、全国で123校が指定されている。附属坂戸高等学校は平成26年度からSGHの指定を受け、必修科目のグローバルライフをはじめ、海外校外学習や国際交流活動などの特色ある教育に取り組んでいる。10 TSUKU COMM

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る