TSUKUCOMM-37
15/28

 「もし、『にじひろ』に参加していなかったら、今頃、大学には来られなくなっていたと思う」。メンバーの1人が話す。大学生になって初めて自分がセクシャルマイノリティだと気づいた。友だちとの恋愛話でも、嘘は嫌だけど理解してもらえるかが不安で話せない。自分はおかしい、誰にも言えずにひとり悩んだ。そういう人は多いのではないか。   本学公認サークルの「にじひろ」は、LGBT(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender)にQuestioning、Queer(クエスチョニング、クィア:自己の性がわからない、特定しない)、Ally(アライ:支援者)を含め、セクシャルマイノリティであるなしに関わらず、性の多様性を理解しようと集うLGBTQAサークル。当事者の悩みや、疑問を気軽に語り合う。「結婚とかってどうなる?」「家族ってなんだろう」、雑談と核心が行き交い、素の自分に戻って本音で話せる。自らの性別や志向に関してカミングアウトするもしないも自由だ。 公認サークルということから、他大学やメディアから意見を求められる機会も多いという。これまでに、比較文化学類との共催で映画上映や講演会、LGBT講座などを開催。10月には本学主催のAwareness Week 2017で、他大学のLGBTサークルとの公開意見交換会や写真展を、11月の学園祭ではワークショップを行うなど、活発に情報を発信していく予定だ。 にじひろの代表は、このサークルがセクシャルマイノリティの当事者にとって、自分らしくいられる居場所であることが最も大切だと語る。だからこそ発言する際には、第三者に予期せずプライバシーが伝わってしまう「アウティング」のリスクに配慮している。 日本人のおよそ3.3~7.6%がセクシャルマイノリティだといわれている。友だちや先生との日常の些細な会話の中でゲイやレズビアンがジョークにされるとき、そばで複雑な気持ちを抱えている友人がいるとしたら? 「にじひろ」はセクシャリティを扱いながら「多様性の価値」を提起する。誰もが心地よく過ごせる大学をめざして。TSUKU COMM 15代表、副代表の3人が企画や学内外の渉外を分担する写真提供 : 特定非営利活動法人 東京レインボープライドセクシャルマイノリティの当事者と支援者が、身近なことからLGBTQAに関して考え、行動するサークル。5月の東京レインボープライド2017ではパレードに参加。活動方針は「無理はしないけど、できることはきちんと」。Twitterは@nijihiro_tkb、Webは「にじひろ」で検索。LGBTQAサークル にじひろ 本学認定一般学生団体同じ思いを抱いている仲間は多いはず。ぜひ試しに行動を起こしてほしいです。LGBTを知ることだけでなく、マイノリティとは何か、みんなそれぞれ違うということを知ることが大切だと思っています後輩にひとことⓒTRP2017ⓒTRP2017自分らしく、ありたい

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る