TSUKUCOMM-37
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●日本語はネットで独学 オランダの南、ドイツとベルギーの国境近くの都市、マーストリヒト近郊のカディール・エン・ケールという小さな町が私の故郷です。中学の時に映画『ラストサムライ』を見て、日本に興味を持ちました。特に漢字は、「宇宙人の言語」という印象でした。非常に難しそうだったので使いこなせたらかっこいいと思って、Webで「Learn Japanese」と検索するところから始めました。学校ではラテン語、古代ギリシア語、英語、ドイツ語などを勉強していましたが、それらとは全く違っているのも面白くて、放課後、家に帰るとすぐに日本語を勉強するのが日課になりました。教材には新聞も使っていたので、日本の国内情勢や政治、近隣諸国との国際関係についても興味深く知るようになりました。 進学前に、オランダで日本語を学べるライデン大学の授業を見学しました。ところが授業が意外に易しくて、これはオランダで日本語を学ぶより、日本語を使って何かを学んだ方が良さそうだと考えて、日本への留学を決めました。国際政治や経済が専門的に学べる国立大を探してみると、筑波大がすぐに候補に上がりました。早速、見学希望のメールを送ったところ、担当の先生から「見学の際には案内します」と丁寧なお返事をいただきました。実際に訪れてみて、自然に恵まれている環境や、みんなが自転車で移動しているのがオランダと似ていると思いました。●つくばの生活と将来の夢 つくばはとても住みやすいと思います。私の故郷は人口1000人程度の小さな町なので、アマゾンの配達もないし、スーパーマーケットも夕方6時には閉まってしまいます。ですから日本の生活で困ることはありませんが、留学初日は驚くことばかりでした。 オランダから日本に到着して、そのまま一ノ矢学生宿舎に入居しました。その日は人生で経験したことのないほどの豪雨で、空にはヘリコプターも飛んでいました。同じ棟のメンバーは、アメリカ人、アフガニスタン人、エチオピア人、エリトリア人、台湾人で日本人が1人もいません。メンターの先生は豪雨で足止めされて会えません。そんな中、ネットの接続に困っていたら、一人の留学生が手伝ってくれました。オランダでもアムステルダムのような都会にはいろんな国の人が住んでいますが、私の町では、ほとんど外国人は見かけません。一度にこんなにたくさんの人種を見たことがなかった上に、最も不安な1日をそのメンバーで過ごしたということがとても印象的でした。 現在、私は学術系サークル「筑波模擬国連(Tsukuba MUN)」の運営に携わっています。今年の11月にはアメリカのワシントンD.C.で16 TSUKU COMMオランダ王国学類の友人と大好きな草津にてオランダでフライドポテト店はいつも マース川から眺めたマーストリヒトの街並み独学で日本を知り、つくばで世界をもっと知るHeland本学には、100を超える国から、約3千人の留学生が訪れています。このコーナーでは、本学の留学生から、出身国の自慢の場所や風景、食べ物など、多岐にわたって紹介していただきます。

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