TSUKUCOMM-38
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 “君はなぜ そして僕らの ここに来た意味も” 本学メッセージソング「IMAGINE THE FUTURE ~未来を想え」の一節。「この部分は新入生に、他にも岐路に立つ学生それぞれに、美しく語りかける歌詞が好き」と歌い手の髙藤真依さんは話す。 髙藤さんは他大学の心理学科を卒業後、その先の進路を定められずにいた。本当にやりたいことは何か、それを叶えるためにどこに向かえばいいのか、悩み、多くの時間を費やした。今は神経科学の研究者を志して、本学大学院の博士課程で学んでいる。「この大学は、ようやく見つけた『自分のやりたいこと』ができる場所です」。これまでの道のりをメッセージソングに重ね、歌い手としてそれぞれの「IMAGINE THE FUTURE」をみんなの元へ届けたいと思う。 同じく歌い手の佐藤悠樹さんは、メロディに川の流れを想像しながら歌う。小さな支流が徐々に広がって大河になるような曲調と、大学で成長していく学生の姿を重ねる。「入学式で初めてこの歌を聞く新入生は『何だ?これは』と思って笑う、卒業式では歌の意味を感じながら学生生活を振り返って泣く。一人一人には会ったことがないけれど、同窓生の人生の節目に歌わせてもらえるのは光栄」と語る。 佐藤さんは、医学を志望しながらも生物学類に入学した。家庭の事情など、努力だけではどうしようもないこともある。いわば挫折感とともに始まった大学生活だった。「でもここは総合大学。目の前には自分の知らない分野が広がっていて、しかも好きな分野の授業が受けられる。可能性を縛らなくてもいいんじゃないか」と視野を広げた。大学院では、小学生の頃からの夢だった、神経再生に関する研究に取り組んでいる。将来は、医師の研究プロジェクトをサポートするメディカルサイエンスリエゾンを目指す。 迷って立ち止まったり、やり直したりしながら進んでいく。発展途上の学生時代だからこそ、心に響くメッセージがある。歌は続く、 “共に生きる 人類(ひと)の未来を 想え”。TSUKU COMM 13メッセージソング「IMAGINE THE FUTURE ~未来を想え」は、本学の建学時の理想である「開かれた大学」をイメージして2010年に卒業生によって作られた。式典では、学生の中から選ばれた「歌い手」が新入生や卒業生にこの歌を贈る。髙藤真依さん人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻博士後期2年佐藤悠樹さん人間総合科学研究科フロンティア医科学専攻修士1年困難にぶつかったとき「ダメな自分」だなんて思わなくていい。その壁は、そもそも誰もが大きいと思う大きさなんです。時間をかけていいから、焦らずに夢に近づこう後輩にひとこと未来をうたう

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