TSUKUCOMM-38
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う表現になるのが当然ですし、書く・話す・読む・聞くといった言語行動によっても、言葉の使い方が異なります。一口に「単語の意味を調べる」と言っても、その状況は様々です。個々のユーザーの能力や用途に柔軟に対応できる辞書、というのはとても現代的でチャレンジングな研究テーマです。 例えば、流行語やインターネット上に特有の表現。親しい人同士なら、むしろ言いたいことが的確に伝わるかもしれません。しかし目上の人に対して、あるいは文化の異なる地域で使うと、思わぬ失敗になってしまうことがあります。そういう言葉は、意味だけでなく適切な用法も提示することが肝心です。また、文章を書く時には、最も適切な表現をじっくりと探したいでしょうし、会話の最中なら、素早く検索しコンパクトに結果が見られるデバイスが好都合です。新しい辞書開発には、ソフト、ハード両面からのアプローチが必須です。■人の思考パターンに近づける 頭の中では様々な言葉やイメージを有機的に連想します。方向転換や飛躍も生じます。そうして考えをまとめていくものです。機械的に単語を並べ、網羅的に語釈を載せるという既存の辞書とは、言語を探索するメカニズムが根本的に異なります。その「ずれ」が使い勝手の悪今後の多言語多文化社会において、必要な言語情報を提供するための、個別対応性、汎時性、多言語性を備えた次世代型言語情報提供サービスの開発を目的とする。利用者の能力差、用途差、使用環境差などに対応するための使用実態調査とともに、辞書情報の構造化や提供時の情報自動適応化などに関わる研究を進め、次世代型辞書のグラウンドデザインの策定と標準化を目指す。次世代型辞書開発プロジェクト06 TSUKU COMM

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