ベイルートLebanese Republicヨルダンシリアイスラエル●●スール●ザフレレバノン共和国地中海地地中中海海べました。「京都の台所」の味ですね。おかげでかけがえのない経験ができました。 ●とても古くて、とても新しいレバノン レバノンの歴史は古く、史跡が多いことでも有名です。そのひとつ、ローマ遺跡「バールベック」にはバッカスとジュピターを祀る神殿が残っています。さらにこの近くでは、重さ推定2,000トン、世界最大級の巨石が見つかっています。どうやって切り出し、運んだのかは今なお考古学上のミステリーの一つです。 古くから残るのは遺跡だけではありません。レバノン山脈にある「カディーシャ渓谷（聖なる谷）と神のスギの森」には、樹齢1,000～3,000年にもなるレバノンスギが自生しています。かつてはたくさんのレバノンスギがあり、この国の象徴として国旗の中央にも象られています。エジプトのピラミッドを建設する際に、木材として大量に伐採された上に、成長に時間がかかるため、今はこの周辺に1,200本程度あるだけの希少植物になってしまいました。 南部の都市スールの海岸には、絶滅が危惧されるウミガメの生息地があります。「オレンジハウス」というゲストハウスではウミガメの卵を保護する活動を行っていて、宿泊者が参加することもできます。季節が良ければ、ウミガメの赤ちゃんを見られるかもしれません。 古い歴史や自然を保つ一方で、首都ベイルートには、新しい音楽やダンスを生み出そうとする若者が集まり、サブカルチャー、特にアンダーグランドミュージックが盛り上がっています。レストランやバー、屋台と、食事をする場所もたくさんあって、特にヨーロッパから多くの観光客が訪れます。 レバノンは中東の中で唯一、砂漠のない国で、野菜、果物、肉など食材が豊富です。レバノン料理をWEBで検索すると、テーブルいっぱいの小皿料理の写真が出てきますが、これはレストラン用のメニューで、普通の家では、ご飯にシチューをかけたものとお漬物というのが一般的。中東原産のモロヘイヤをたっぷり使ったシチューは、見た目よりもずっとおいしいです。 私のお薦めは、ザフレの実家近くにある「Tabliyyet Massaad」という店のチキンサンド。塩とオリーブオイルでふわふわに泡立てたガーリックペーストが味の決め手です。おばんざいのような「ザフレの台所」の味とは言えませんが、私には懐かしくて、大好きな味です。 TSUKU COMM 17人気店Tabliyyet Massaadのチキンサンドスールの海岸ザフレの街Nabhan Ralphナブハン・ラルフさん人間総合科学研究科（博士前期課程）芸術専攻2年所 属
元のページ ../index.html#17