TSUKUCOMM-39
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 「世界を変えよう基金」は、鈴木英明客員教授の提唱により、2015年12月に創設されて以来、途上国でボランティア活動を行う学生などを支援しています。途上国の開発には多様な側面があることを多くの学生に理解してもらうために、本基金は、このほど「途上国開発問題に関するオムニバス・トーク」を1月17日から2月19日にかけて、4回にわたり開催しました。 このオムニバス・トークでは、途上国の開発問題に携わった経験のある教員が、学群・学類を超えて、これまで取り組んできた、それぞれの活動と課題、研究テーマとの関連について写真を交えて紹介しました。 全4回のオムニバス・トークには、国際学類、社会学類、生物資源学類、看護学類、体育専門学類、物理学類、芸術専門学類、比較文化学類から、課外にも関わらず、延べおよそ180人に上る学生が参加し、途上国開発への関心の高さがうかがわれました。ボランティアとして、あるいは将来の活躍の場として、途上国開発に取り組みたいという学生が多いことがわかり、本基金では留学生を含めた在学生を対象に、グローバル人材養成のための本格的な勉強会を実施するなど、今後も資金と企画の両面で支援を継続していきます。 1月27日につくば市カピオホールで「2018つくば体操フェスティバル」が行われ、国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」行事で行われる郷土芸能「相馬流れ山踊り」が披露されました。 今回で23回目となるつくば体操フェスティバルは、本学学生の指導する市内15の体操グループが演技を発表する大会です。相馬流れ山踊りを披露したのは、うつくしま体操教室のメンバーで、福島第一原発事故によって福島県双葉町からつくば市に避難した方々。この教室は、避難者に新しい地域での生活に溶け込んでもらおうと、2012年から本学の復興支援活動として始まりました。大会会長で、教室を主宰する体育系の長谷川聖修教授は、「一方的にどちらかが支援するというのではなく、お互いの文化性を尊重し、我々も刺激を受けることが大事」と言います。 踊りを披露した一人、中村富美子さんは、ボールを使った演技や、双葉音頭を参加者と踊るなどでも大活躍。フェスティバル参加も6回目となり、「故郷に帰れない私たちを励まし、元気づけてくれる皆さんに、感謝の気持ちを込めて踊っています」と笑顔で語りました。またうつくしま体操教室で指導し、この春から高校教員になる川辺光貴さんは、「教室では、頑張らなくていい、間違えていい、という合言葉があります。競技スポーツだけをやっていてはわからなかった、運動の文化的な側面を知ることができました。社会人になっても、この経験を活かしていきたい」と振り返りました。教育うつくしま体操教室のみなさん山口拓 助教のオムニバス・トーク途上国開発の実践から学ぶ未来への投資「世界を変えよう基金」社会貢献つくばと福島県双葉町をつなぐ体操教室●途上国開発問題に関するオムニバス・トークのテーマ1.「医療における国際貢献、ベトナム、ボリビアでの経験」秋山稔教授(医学医療系) 2.「開発とエンパワーメント、モンゴルでの事例」安梅勅江教授(医学医療系)3.「Sport for Development and Peace、カンボジアの体育支援」山口拓助教(体育系)4.「タンザニアの稲作農家を対象とした実証研究」中野優子准教授(人文社会系)※所属、役職は2018年3月現在TSUKU COMM 21

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