TSUKUCOMM-39
22/32

 1月18日京都外国語大学(関西会場)、26日文京シビックホール(関東会場)において、講演会「なぜ、ヒバクシャを語り継ぐのか~ノーベル平和賞ICANを支えたキャサリン・サリバンさんとの対話~」が開催されました。またそれぞれの講演会の翌日には「『核時代の狂気』による悲劇を避けるため、何をすればいいのか」をテーマにしたワークショップが開催されました。 これらは、2017年8月から10月にかけて、人文社会系の沼田善子教授(総合言語科学ラボラトリー)がリーダーを務める、研究グループ「記憶の継承と言語」プロジェクトが実施したクラウドファンディングの支援により、京都外国語大学、横浜国立大学等のプロジェクトメンバーとの共催で実現したものです。 関東会場の講演会には、プロジェクトの学生を含め、中学生から年配の方まで130人以上が参加しました。世界に被ばく体験を伝えてきたアメリカ人平和活動家キャサリン・サリバンさん(写真左)が、核兵器の脅威について述べた後、広島で被爆した山田玲子さんが、自らの体験を語りました。参加者は静かに耳を傾け、講演後には「核兵器廃絶に向け、自分たちにもできることがあると気付いた」などの感想が寄せられました。またワークショップでは、高校教師から、核廃絶の問題をどう教えたらよいか悩んでいるという声が聞かれました。 「記憶の継承と言語」プロジェクトでは、被爆証言を世界に伝えることをテーマに、証言の資料的価値や、多言語に翻訳する際の課題について、言語学、社会学、歴史学と連携して研究を行っています。沼田教授は今回の連続講演とワークショップで得られた知見を、今後、平和教育のための教材づくりに役立てたいと述べました。「世代を越えた記憶の継承、被爆体験を若い世代が未来に語り継ぐために-アメリカ人平和教育家と被爆者がコラボした連続講演とワークショップ」実施 芸術専門学群では、高校生による美術に関するエッセイのコンテスト「高校生アートライター大賞」を2005年から2年ごとに開催してきました。この企画は、芸術専門学群が美術館や芸術教育における支援活動を学ぶ「芸術支援コース」を新設したことを機に、美術と言葉の関わりという視点から高等学校の美術学習の活性化を目指して始められた、ユニークな取り組みです。 7回目を迎えた今回は、日本を含む世界13か国からインターネットを通じて551編の応募がありました。学生、芸術系教員、学外者からなる選考委員会で審査を行い、大賞3編ほか優秀賞、入選作品、学校賞を決定しました。本学の学生にとっても、美術の振興や学びにおける言葉の役割を理解し、若い世代への教育的な関わりを学ぶ場となっています。 2月3日に大学会館で行われた表彰式には、受賞者とその指導教員が全国から集いました。大賞は、東京朝鮮中高級学校のコ・ユフィさん「疑問を形へ」、北海道札幌平岸高等学校の髙橋菜々子さん「ゴミはゴミ箱」、愛知県立岩倉総合高等学校の細田詩織さん「『見る』ということ」の3編です。指導にあたった高校の教員からは、これまで、制作を中心とした授業だけでは分からなかった生徒の考えを知り、生徒とその作品を多角的に見ることができるようになったなどの感想が寄せられました。アートを言葉で伝える第7回高校生アートライター大賞イベント教育過去の優秀作品は「高校生アートライター大賞」のHPからご覧いただけます。22 TSUKU COMM

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る