TSUKUCOMM-39
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 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史教授が2017年度朝日賞(朝日新聞文化財団主催)を受賞し、1月31日に東京都内にて授賞式が執り行われました。朝日賞は1929年の創設で、「学術、芸術などの分野で傑出した業績をあげ、日本の文化や社会の発展、向上に貢献した方々」に贈られます。柳沢教授の授賞理由は、「オレキシンの発見と睡眠・覚醒に関する研究」です。 柳沢教授は、本学大学院在学中の1988年に血管収縮物質エンドセリンを発見した後に渡米し、テキサス大学サウスウェスタン医学センターに研究室を構えました。1998年には新規の神経ペプチドを発見し、オレキシンと命名しました。発見当初は摂食行動を制御する神経ペプチドと考えられたことから、古代ギリシャ語の「食欲・欲望」を意味するorexisに因んでオレキシンと命名したものです。しかしそれがナルコレプシーという睡眠覚醒障害に関与していることがわかり、覚醒・睡眠制御の研究を開始しました。 柳沢教授は、2012年の国際統合睡眠医科学研究機構設置に伴い、機構長に就任し、睡眠研究を統括しています。2016年には紫綬褒章にも輝きました。今回の受賞は、長年にわたる上述の研究分野における大きな貢献が評価されたものです。 文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」の第1回中間評価において、本学が実施する「トランスボーダー大学がひらく高等教育と世界の未来」タイプA(世界レベルの教育研究を行うトップ大学)が、最高の「S評価」を受けました。 スーパーグローバル大学創成支援事業は、海外の卓越した大学との交流・連携や人事・教務システムを含めた大学改革など、国際化を徹底して進める大学を重点支援するために、平成24年に設けられました。世界レベルの教育研究を行う「タイプA」と、日本社会のグローバル化を牽引する「タイプB」の2種類があり、本学はタイプAの13校の一つとして採択されています。 中間評価では特に、大学や国境を越えて科目履修を可能にする「Campus-in-Campus」や、世界トップレベルの研究チームを招き、本学にサテライトラボを形成することで国際的連携を促進する「海外教育研究ユニット招致」が、画期的な取り組みとして高く評価されました。 本学は今後も本事業を推進し、国や機関などの間にある、あらゆる壁を越えた地球規模の教育研究機関を目指します。受賞2017年度朝日賞を受賞教育スーパーグローバル大学創成支援事業 本学が中間評価で最高S評価TSUKU COMM 25

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