TSUKUCOMM-41
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Republic of Kenyaケニア共和国●●ナイロビ●エルドレットマサイマラ国立保護区ソマリアエチオピア南スーダンウガンダルワンダブルンジタンザニアコンゴ民主共和国インド洋のがケニア人。それを象徴するのが、ヤギなどの肉を炭火で焼いて食べる「ニャマチョマ」という料理です。大統領も村の子供も、その場にいる人同士、一緒に食べます。ケニアでは5分も一緒にいれば、お互いに話しかけて、すぐに親しくなれます。日本人の旅行者が、ケニアで友人を作ることは意外に簡単です。 ケニアの観光は、農業、製造業に次ぐ第3の産業です。ケニアでは2017年に新しいタイプの鉄道が運行し始めたばかりで、まだ一部の地域にしかありません。一般的には鉄道の代わりに、「マタトゥ」と呼ばれる乗り合いバスを使います。14人乗りの小さなものから、長距離移動用の大型バスまで、サイズもデコレーションも様々。都市を走るマタトゥは電飾で彩られ、車内では専用のディスプレイで音楽やテレビを楽しむこともできます。 ハイテクな一面もあります。M-PESA(エムペサ)という、携帯電話から送金できる電子マネーシステムです。このサービスは、銀行口座を持っていない人でも、買い物や食事のときに現金なしで決済でき、知人や家族に送金することもできます。もちろん観光客も利用できます。インターネットの普及はまだ十分ではありませんが、携帯電話回線は国内のほぼ全域に網羅されていますので、どこでも使えて、ケニアのGDPの半分以上のお金が、このM-PESAで動いていると言われています。●日本とケニアをつなぐ 私は日本とケニア両国の役に立ちたいと思っています。インターンシップで就業体験をした日本企業から、ケニアに関する情報提供を求められることが増えてきました。そこで私は、友人と「HIGASHI Africa Investment Co. Ltd」という会社を立ち上げました。アフリカでのビジネスチャンスを探している日本企業に対して、ケニアのロジスティックスや、人脈、文化など現地情報の提供を行います。ABEイニシアティブの奨学生としても、アフリカにおける日本企業の経済活動を支援することは目的の一つですので、この仕事を軌道に乗せたいと思っています。 もちろん、まずは博士課程を修了することが一番の目標です。環境やエネルギーについて学ぶとともに、福島県の風力発電施設や広島県の原爆資料館を訪れたり、熊本県で水俣病の元患者に話を聞いたり、環境開発について考える機会を得てきました。これらの経験も含めて、修士課程までのエネルギーに関するエンジニアリングの知識を活かし、博士課程では、ケニアの持続可能な開発を支えるエネルギー政策について研究をしています。 ケニアの発展にはエネルギー開発は必須です。今は原子力発電や火力発電の導入も検討されています。しかし、私は地球全体の環境問題やケニアでの環境保全を考えると、100%自然エネルギーで賄うべきだと考えています。将来はケニアで大学の教員になりたいと思っています。学んだことを次の世代に伝え、ケニアの発展に貢献していきたい。そのためにも、日本でもっと多くのことを学びたいと思います。国内移動の主役「マタトゥ」 写真提供:佐藤浩冶/JICAニャマチョマパーティーの様子。これは友達とエリウド・キプロプさん生命環境科学研究科(博士後期課程)持続環境学専攻1年所  属

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