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197月5日、「筑波大学コトノハチーム」(代表:人文社会系吉野修准教授、馬籠清子准教授)に、復興大臣から感謝状が贈呈されました。東日本大震災で被災した福島県南相馬市小高地区の方々との交流を、平成26年から続けてきた活動が評価されたものです。コトノハチームは、被災者にどのような支援ができるのか、まずは仮設住宅で当事者の話に耳を傾けることから始めました。度々訪れて対話を重ねるうちに、震災の辛い出来事や不安を口にしていたお年寄りからも、次第に家族の思い出や、地元小高地区の昔話などの楽しい話が聞かれるようになったといいます。そこで、被災者から小高に伝わる昔話や風習を聞き取り、絵本や紙芝居を作ることにしました。若い世代と故郷の思い出を共有することで、地域の生活の記憶を取り戻し、心の復興につながると考えたからでした。これまでに、13の絵本や紙芝居を制作し、仮設住宅の集会所などでの朗読会や上演会を通じて、世代を超えた交流の場を設けてきました。2016年に小高区の避難指示が解除となり、現在は、帰還した住民と、小高の生活文化の良さを再確認する活動を行っています。ここで選んだのが食文化を伝える試みです。小高の郷土料理を地元の子供たちや、他県の人々にも知ってもらうために、レシピ作りや試食会などを企画しています。コトノハチームのメンバーで比較文化学類2年の髙橋奈央さんは、「震災の影響で農作物が育てられなくなったり、子供たちが郷土料理を知らなかったり、この土地らしい食の文化が断たれてしまうのではないかという不安をみなさんが口にしていました。私はそれをつなぐ手伝いをしたいです」と、今後の活動に意欲を示しました。 社会貢献「筑波大学コトノハチーム」が、復興大臣より感謝状を受贈社会貢献集会場での交流会。故郷の昔話に笑みがこぼれるコトノハチーム。吉野准教授(後列中央)、馬籠清子准教授(前列右)8月24日、本学サテライトオフィスで、医学医療系の「医療と介護と福祉をつなぐ会」によるイベント「医療と介護と福祉をつなげるコミュニティカフェ~もやもやをかたちに~」が開催され、この分野に携わる幅広い年代の人たち、およそ30人が参加しました。はじめに、一人ひとりで「自分は何歳まで生きたいのか、父・母・子に何歳まで生きて欲しいのか」を考えました。そして、人気アニメに登場する家族の年齢設定をもとに、具体的な老後のイメージを膨らませます。次に、医学医療系の上野友之講師が、スライドや映像を使いながら、健康寿命や過去と現在の寿命の変化について解説し、それをふまえて、生涯現役社会をテーマにグループ内で意見を交わしました。参加者は、それぞれの立場から見える考えや悩みについて盛んに話し合い、職種を越えた交流も生まれる機会となりました。生涯現役社会を考えるコミュニティカフェを開催活発に議論する参加者

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