TSUKUCOMM-42
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舘下智子さんは「CLOVER~難民と共に歩むユース団~」のメンバーとともに、牛久にある東日本入国管理センターを定期的に訪れ、収容されている難民申請者らと面会している。2018年1月からの半年間に、日本で難民に認定されたのは申請者のわずか0.3%にあたる22人。あとの99.7%は在留期間が終われば出国しなくてはならないが、難民再申請や何らかの事情があって在留する場合は、法務省管轄の施設に収容される。「戦争、紛争、貧困など理由は様々ですが、収容者には自国に戻ることのできない状況があります。申請がなかなか通らず収容期間が長期化する人も多く、自由な生活も親類との関係も失い、自分は誰からも忘れられてしまうのではないかという不安を抱えています。面会時間は30分と限られていますが、『大学生が興味を持って、会いに来てくれるのはうれしい』と言ってくれます。私たちは、まず、収容者に寄り添うことを大切にしたい。そして、難民の現状を多くの学生に知ってもらう橋渡しをしたい」と舘下さんは話す。面会では、施設内での生活、将来への不安、離れて暮らす家族への思いなどに耳を傾け、話す様子から、その人の置かれている環境を推し量る。擦過傷や湿疹などが目立つ場合は、栄養やストレスの問題を疑い、声をかける。舘下さんの夢は、特別支援学校の教諭になること。自閉症の家族がいるため、障害を理解しているつもりでいた。しかし高校生の時に、ボランティア活動で肢体不自由の子供と接し、障害によってコミュニケーションの方法が全く違うことを知り、専門的に学びたいと本学へ。留学生や障害のある学生と学ぶのが当たり前のキャンパスで、多様な人と関わり、世の中には支援を必要とする人が大勢いることも知った。遠い存在だと思っていた難民もそのひとつだ。「将来、難民も障害のある子も、一緒に学ぶ教室が普通になると思います。その中で辛い思いをしたり、それを乗り越えるためにさらに問題を抱えることにならないように、子供に関わる大人として、様々な価値への理解を深めたい」。舘下さんにとって、CLOVERの活動は、未来の教室とつながっている。CLOVER~難民と共に歩むユース団体~難民問題啓発イベント仮放免中の収容者の方に登壇してもらうことも難民支援サークル「CLOVER」のメンバーとして、牛久市にある東日本入国管理センターに収容されている外国籍の人々と定期的に面会し、話を聞いたり日本語教材の提供を行う。2月16日には、国連難民高等弁務官事務所の協力で「難民映画祭」を開催予定。好きな授業は、初等教科教育法。小学生の頃の「できた」が追体験できるから。大学生になって、急に世界が広がったように思えますが、それはこれまでの勉強や先生、友達、家族との日々の積み重ねの上にあるんだと感じています。希望を持って、今の学びを大切にしてください。それは、将来とちゃんとつながっています後輩にひとこと舘下智子さんCLOVER~難民と共に歩むユース団体~代表人間学群障害科学類2年寄り添うことを学ぶ

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