TSUKUCOMM-43
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2月2日、山岳科学センター菅平高原実験所(長野県)にて、自然観察会「氷瀑の大明神の滝と冬の生き物たち」が開催されました。寒さの厳しい時期に行なわれるイベントながら、毎年、多くの参加申し込みのある人気企画です。ガイドを務めるのは、実験所のボランティアスタッフである「菅平ナチュラリストの会」のメンバーです。この会は、2010~2016年にかけて実験所が開催した「ナチュラリスト養成講座」に参加し、自然への知識を深めた受講生からなるグループで、現在約20人が登録しています。観察会当日は晴天に恵まれ、長野県内各地から、定員を上回る32人が集まりました。最初に、生命環境系 町田龍一郎教授から、冬の生き物についての簡単な講義を受けた後、ガイドと共に野外に出発しました。雪原や自然林内では、ノウサギ、リス、テン、キツネの足跡がそこかしこに残っていて、それらをじっくりと見たり、樹木についた地衣類をルーペで観察したりしながら進みました。そうして1時間ほどかけて実験所敷地の奥にある大明神の滝に到着すると、ダイナミックな氷瀑の姿に参加者からは感嘆の声が上がりました。16受賞・表彰凍りついた大明神の滝「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」で世界TOP5に選出システム情報工学研究科(博士後期課程)知能機能システム専攻2年の江口洋丞さん、グローバル教育院(一貫性博士課程)エンパワーメント情報学プログラム4年次の佐々木海さんらの開発した、立位状態で走行できる電動式車いす「Qolo」が、「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」で、製品化と社会実装を目指す最終候補5チームのひとつに選ばれました。「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」は、下肢麻痺者がより自由に移動できるための、革新的な補装具の開発を目指し、トヨタ・モビリティ基金とNesta(英国国立科学技術芸術基金)が共同で実施するコンペティションです。世界28カ国、80チームから寄せられたアイデアを、下肢麻痺に関する医療や福祉、ロボティクスの専門家ら11人が審査しました。今回選ばれた5チームは試作機を開発し、2020年夏に東京で最終審査の結果が発表される予定です。試作機開発の費用として、各チームには50万ドルが授与され、優勝すれば、さらに製品化に向けて100万ドルが贈られます。「Qolo」は、実際に交通事故などで下肢が麻痺している人が、立って移動したり生活することを支援する、新しい車椅子です。立ったり座ったりという、姿勢を変える動作の支援を、モータを使わずバネだけで実現し、人と機械が一体となって動く先進的な技術が高く評価されました。江口さんは、ファイナリストに選ばれたことを受け、「多くの人にとっての新しい靴を発明する機会を得たような気持ちです。チャレンジを通して、実験室に留まっていたアイデアが実際の課題を解決できるようになり、誰かの幸せにつなげることができると期待しています。」と述べました。その他台湾の書家、杜忠誥氏より書を受贈本学大学院OBで書家の杜忠誥(とちゅうこう)より、本学に作品が寄贈され、このほど、大学会館ホール ホワイエに展示されました。杜氏は、修士課程芸術研究科を1990年に修了し、現在は母国台湾で、著名な書家の一人として活躍しています。この作品は『論語』に収められた孔子の言葉「教え有りて類なし」を、勇壮な古代文字で表したものです。優れた教育こそが大切であり、それによって分野に関係なく誰もが大成できる、という意味で、本学の教育に対する称賛も込められています。社会貢献自然観察会「氷瀑の大明神の滝と冬の生き物たち」

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