TSUKUCOMM-44
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 矢倉さんは、学群在学時にコンピュータセキュリティーなどのプログラミング研究に関して、4件の国際会議での論文発表、また、国内学会でも最優秀論文賞を含む4件の賞を受けるなど、優秀な業績を上げた。この8月には卒業研究の成果を国際学会で発表する予定だ。 プログラミングとの出会いは、中学の頃。何気なく通りかかった部室の雰囲気が気になって、パソコン研究部に入部した。そこからみるみるプログラミングの楽しさにはまり、中学、高校を通して様々なコンペ等に応募し、多数の賞を受賞した。 本学の情報学群への入学を目指したのは、希望する研究分野があること、カリキュラムの履修に自由度がありそうなこと、また、プログラミングを通じて知り合いになった研究者がつくば市内の研究機関にいることなどからだ。 入学後は、所属学群だけでなく、芸術や心理学など他学群の授業も受講し、興味や視野を拡げていった。またARE制度※など、学内で活用できる仕組みを利用して研究を進めた。 大学院に進学してからは、研究は連携大学院制度により学外の研究機関で、授業は大学でと、双方を行き来しながら、忙しい日々を送っている。指導を受ける研究機関には様々な経歴の人がおり、いろいろな研究のトピックが聞けるなど、よい刺激になっているという。研究の中心は「音楽情報処理」で、人間と音楽との関わりにおいて、AIや機械学習を使い、人間をサポートし、能力の可能性を拡張するためのシステムなどを作成する研究を行っている。 「誰にでもできることはやらない」がモットー。人を助け、また、人のできないことを実現することを目標に、これからもものづくりの一環として、プログラミングの現場に携わっていきたいと語る矢倉さん。好きな音楽と、膨らむ様々な分野への興味をモチベーションに、プログラミングの世界は無限に拡がる。※ARE(先導的研究者体験プログラム):全学群を対象に、1-3年次生でも意欲のある者は、4年次生の卒業研究と同様の活動ができる制度。申請が採択されれば、アドバイザ教員を通して研究費を使用することもできる。2019年3月(学群在学時)に、プログラミングによる国際会議での論文発表、国内学会における最優秀論文賞の受賞などの学習成果により、本学で学生表彰された。クラシック音楽が好きで、ピアノや能楽の楽器も奏でる。後輩にひとこと筑波大学は思っていた以上に所属以外の科目の履修に自由度があるので、自分の興味を拡げるにはとてもよい環境。また、研究を進めるための仕組みも整っているので、目標に向けて、大学を最大限に利用してください。矢倉大夢さんシステム情報工学研究科(博士前期課程)知能機能システム専攻1年 人の可能性を拡げる筑波筑波コンピュータセキュリティシンポジウム2018最優秀論文賞

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