TSUKUCOMM-45
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筑波大学には11の附属学校があり、それぞれの分野でわが国の教育をリードしています。各学校のユニークな先生や授業、行事などの活動を紹介します。互いを知り、認め合う交流を附属高等学校との交流会知的障害を対象とする附属大塚特別支援学校の中学部と附属高等学校の間で、10年以上前から続いている交流活動。毎年数回、互いの学校を訪れて、音楽やスポーツなどの活動を一緒に行う。特に桐陰祭では、作業学習として「クロスワーク班」「クラフト班」「サービス班」のそれぞれが、活動の成果を発表する。藍染やコースターなどの作業製品の販売やステージ発表を通じて、様々な人と触れ合う経験を培う場となっている。■桐陰祭の1日たくさんの模擬店や企画が行われる附属高等学校の文化祭「桐陰祭」。その一角に附属大塚特別支援学校中学部も出展しています。絵や作文などの作品展示と、この1年間の作業学習の授業で製作した、藍染のTシャツやストール、手さげ、きらきらのタイルが付いたクリップ磁石やコースターなどの作業製品の販売が行われています。店番は中学部の18人の生徒たち、そして附属高校の交流委員会メンバーです。午前10時に開店すると、すぐにお客さんが入ってきて、作業製品を手に取り、2つ3つと買い求めていきます。生徒たちは、元気よく「いらっしゃいませ。」「ありがとうございます。」と挨拶をし、タブレット端末を使って会計をし、品物をビニール袋に入れて渡します。交流委員会の高校生もそれを手伝います。委員は1・2年生の各クラスから2人ずつ、全部で24人。みんな自分のクラスの活動と掛け持ちですが、シフトを組んで交代で参加しています。委員長を務める2年生の藤井泰斗さんは、「去年の交流がすごく楽しくて、今年も続けています。もっと仲良くなりたい。」と話しました。生徒たちは、店番の合間に、桐陰祭も見学しました。各クラスや部活動などの趣向を凝らした企画はどれも大賑わい。それらの長い列に並んだり、模擬店で焼きそばなどを買ったりといった行動も、楽しいだけでなく、大事な社会経験です。■附属高校との交流会この日の桐陰祭への参加は、今年度中に5回予定されている附属高校との交流会の2回目です。交流会自体は、双方の学校を行き来しながら、音楽やスポーツなどを通して、互いを理解し合う場として、10年以上にわたって続いている活動です。桐陰祭には、当初は見学に訪れるだけでしたが、7年前からは、附属大塚特別支援学校として正式にエントリーし、日頃の学習成果を積極的にアピールするようになりました。中学部と高校という、少し年代の異なる生徒同士の交流は、アンバランスなようにも思えますが、知的障害を持った子供たちは、中筑波大学附属大塚特別支援学校附属学校めぐり10

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