TSUKUCOMM-45
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2021年度(2021年4月入学)から、日本の大学の入試制度は大きく変わろうとしています。これに伴い、筑波大学も新しい入試の仕組みを導入します。その概要を、4回にわたって紹介します。筑波大学の入試改革 3「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」へ現在行われている大学入試センター試験が2020年1月の実施を最後に廃止され、2021年1月から「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が導入されることは、今回の入試改革の目玉と言えます。大きな変更点としては、「記述式問題の導入(国語・数学)」と「英語4技能を評価するための資格・検定試験の活用」が挙げられます。国立大学の一般選抜では、全国一斉に行われる「共通テスト」の結果とそれぞれの大学で行う「個別学力検査等(二次試験)」の結果を合わせて合否が決まります。■記述式問題の導入共通テストには、解答を選択肢の中から選ぶだけではなく、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする、思考力・判断力・表現力を評価するため、記述式問題が導入されることになりました。本学の個別学力検査の国語では、かねてより思考力・判断力・表現力を重視した高度な記述式問題を出題していますが、全学群・学類の受験者には課していないため、共通テストの国語記述式問題の段階別評価を点数化して活用し、全受験者の記述力を評価します。数学の記述式問題については、マーク式問題と混在した形で出題・配点されることから、マーク式の設問と一体的に取り扱います。■英語4技能の評価グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上が課題となっています。現行の高等学校学習指導要領では、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能をバランスよく育成することとされており、大学入学者選抜においても、英語4技能を適切に評価する必要があります。しかし、スピーキングやライティングの試験を一斉に行うことは難しいことから、民間で実施する資格・検定試験(英検やGTEC等)が活用されることになりました。共通テストの英語の試験が無くなるわけではなく、共通テストの英語の成績と資格・検定試験の成績をどのように活用するかは各大学に委ねられています。本学では、特に優れた4技能の資質を有する受験者(CEFR注 B2レベル以上)に対し、共通テストの英語の成績に加点します。なお、出願資格とはしません。200点満点に換算した共通テストの英語の成績(本学では、これまでの大学入試センター試験の配点比率を維持した、リーディング160点、リスニング40点とします。)に、CEFRのC2レベル20点、C1レベル10点、B2レベル5点を加点します。加点の結果、満点の200点を超える場合には、200点として扱います。英語の資格・検定試験を受けていない場合でも、満点の200点を取ることが可能です。学習指導要領の改訂を受けた2025年度入学者選抜では、さらなる変更が検討されています。本学では今後も、高校教育における学びの成果や姿勢を評価するため、適宜改善を加えて実施する予定です。 英語の資格・検定試験 加点方法                   ※共通テストの枠組みで実施される全ての英語資格・検定試験について、その成績を「大学入試英語成績提供システム」から提供を受けて利用します。※共通テストで英語以外の外国語を受験した場合は、加点の対象とはしません。(注)CEFR 外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠資格・検定試験を資格・検定試験加点資格・検定試験加点資格・検定試験加点22

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