TSUKUCOMM-46
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筑波大学には11の附属学校があり、それぞれの分野でわが国の教育をリードしています。各学校のユニークな先生や授業、行事などの活動を紹介します。伝統を受け継ぎながら、自由に筑駒文化祭音楽祭、体育祭と並び、附属駒場中・高等学校で毎年開催される「三大行事」の一つ。中でも文化祭は、3日間で延べ1万6000人程度が訪れる、学校最大の行事となっている。中学1年から高校2年までは、クラスごとに展示や演劇などを披露する一方、高校3年は、クラスにとらわれず、いくつかの班に分かれてステージや縁日などの活動を展開する。「生徒が作る」という伝統が貫かれており、出し物にも運営にも、生徒たちのオリジナリティが光る。■筑駒のメインイベント附属駒場中・高等学校(筑駒)の文化祭は、毎年11月、文化の日を挟んだ3日間に行われます。保護者などの関係者だけでなく、近隣住民や他校の生徒、筑駒の受験を目指す親子連れなどが、ひっきりなしに校門を通っていきます。この文化祭は、6月の音楽祭(クラス対抗合唱コンクール)、9月の体育祭に続く年間3大行事の一つで、生徒たちが最も力を入れるイベントです。今年のテーマは「暁」。全校アンケートから案を出し、その中から選ばれたものです。新元号の始まりも意識しつつ、自分たちの輝きや将来への期待が込められています。校門の看板などのメインビジュアルにも、この「暁」をイメージした、ちょっと和風のデザインが施されています。校内に入ると、外の広場では、飲食も含む模擬店が並び、特設ステージではショー形式の様々なプログラムが行われています。また、いつもは1号館、2号館と呼ばれている校舎も、この日はBlue館、Red館などと4色に色分けされ、中学1年生から高校2年生までがクラスごとに展示や演劇、ゲームなどの出し物(デコ)を行ったり、各クラブ活動を紹介するイベントが繰り広げられています。どの会場も、とにかく人の波が途切れることがない盛況ぶり。女子中高生の姿もたくさんみられ、いつもの男子校の雰囲気とは違った、華やかさもあります。■生徒たちのアイデアを生かして文化祭を取り仕切っているのは実行委員会。高校2年を筆頭に、中高の各クラスから集まったメンバーで構成されます。長年、蓄積されてきたノウハウがあり、これだけ大きなイベントでも、企画・運営には抜かりがありません。ほとんどのメンバーが継続して活動しており、学年ごとの役割も決まっていて、徒弟制度のようにして、この伝統行事のノウハウを受け継ぎつつ、毎年、新しいアイデアや工夫を加えていきます。指導にあたる先生は、それらの提案をどう実現できるか、その検討をサポートしながら、生徒たちを見守ります。パンフレットやホームページを作るのも生徒たちです。デザインにもこだわりが見られ、プロ顔負けの出来栄えです。各イベントや模擬店の待ち時間も、行列の長さから経験的に計算し、それをリアルタイムでホームページに掲載していきます。こういったスキルも、先輩の後ろ姿から自然と学び、ブラッシュアップされたものです。今年は台風の影響で、開催直前の追い込み時期に、予定通りの準備ができなかったため、やや心配もありましたが、なんとか間に合って初日を迎えることができました。実行委員長の齋藤蓮さん(高2)は、「いろんなデコがあって、それをまとめていくのは大変でしたが、3日間、しっかりやっていきたい」と意気込みを新たにしました。筑波大学附属駒場中・高等学校附属学校めぐり10

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