TSUKUCOMM-46
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 本校では、学業・学校行事・部活動を三本柱として生徒の全面的な人格形成を促しています。小さな学校に沢山の行事が詰まっているので、すべての生徒がリーダーとなりフォロワーとなって行事を企画・運営・参加する機会を持ちます。中でも文化祭は本校最大の行事であり、各学年の生徒が力を出し切るために、文化祭実行委員会の生徒が綿密なスケジュールを組んで全体を運営していきます。文化行事係担当3年目の山本主幹教諭は、委員会運営の主体を生徒に任せながら、全体を俯瞰しつつ適切なアドバイスを与えて、文化祭運営を支えています。「文化祭」が生徒を育てる 梶山 正明 副校長弾ける■全力をつぎ込む3日間筑駒では毎年クラス替えがあります。ですから、クラスごとのデコも、毎年違う仲間で違う企画を考えることになります。慣例的に、中学1・2年は展示、中学3年から高校2年は演劇、というような大まかな流れがありますが、近年は、謎解きなど参加型の要素を取り入れたアトラクションも出てきました。一方、クラブ活動の紹介コーナーは、それぞれ専門的な内容を含みながらも、展示や実演、体験を通してそれらの魅力が伝わってくるものばかり。まさに、普段、学校で行われていることが全部詰まっている感じの文化祭です。屋外は、より一層、賑やかです。カレーやスイーツなどの屋台、ゲームなどのブース、古本市などが立ち並び、ステージでは、今や名物となったミス筑駒やMr.筑駒といったコンテストなどのショーが次々と行われます。大人気のコント・演劇は、「スカイホール」という屋内3階のホールで行われています。どのコーナーにも人だかりができ、移動もままならないこともあるほどです。これらはすべて高校3年生の担当。筑駒での最後の文化祭を盛り上げようという熱気にあふれています。■1年が終わり、始まる文化祭で一番気合が入っているのは高校3年生です。他学年はクラス単位でデコを考えますが、最後の年だけは、クラスを解体し、ステージ、縁日、喫茶など6つの班に分かれて活動します。前年の文化祭が終わった翌日から班割りが始まり、1年かけて準備してきた集大成をこの3日間にぶつけます。普通なら、高校3年のこの時期は、大学受験が気になるところですが、筑駒では文化祭が終わるまでは、なかなか受験勉強に専念できません。でもそれは中学に入学した時からのお約束。この文化祭に憧れて入学してくる生徒も多く、焦りや抵抗はありません。他の行事も含め、最初からそのつもりで、勉強の段取りを考えているのです。高校3年生に限らず、生徒たちにとっては、かなりきついスケジュールです。けれども、全体の生徒数が少ないこともあり、全員参加でなければ、この文化祭を成功させることはできません。多少の温度差はあっても、すべての生徒が何らかの役割を担い、一丸となって目標に向かいます。年間の行事と勉強とのメリハリがあることで、かえって集中力が増すという効果も生んでいるのでしょう。暁の先には無限の将来が広がっています。     副校長(右)と生徒部文化行事係の山本智也主幹教諭11

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