TSUKUCOMM-46
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筑波大学女子サッカー部は今季、昇格したばかりの関東大学リーグ1部で7位となり、5年ぶりの全日本選手権(インカレ)出場を決めた。主力として活躍したのが千葉玲海菜(れみな)さんだ。7月にイタリアで開かれたユニバーシアード夏季大会の女子サッカーでは、準優勝した日本チームの一員として全試合に出場し、同世代を代表する選手となっている。サッカーを始めたのは小学1年生の時。両親が共働きで、2歳年上の兄と一緒に地元・福島県いわき市の放課後児童クラブ(学童保育)に入った。皆でボールを蹴って遊ぶようになり、兄に負けまいと取り組むうちに、すっかりサッカーの魅力の虜になった。それからは、家でもリフティングするなどボールに触らない日はない毎日に。中学生になると、地元のクラブチームで男子に交じってプレーした。通った中学校には女子サッカー部がなかったからだ。高校では親元を離れて女子サッカーの強豪、静岡県の藤枝順心高校に進んだ。冬の女子サッカー選手権など高校3年間で3度の日本一を経験する。フォワードなど常に攻撃的なポジションを担った。筑波大への進学を決めたのは、学問とスポーツの両立をしたいと考えたからだ。体の仕組みを知る解剖学や生理学、栄養学、コーチング理論など、大学の授業はスポーツ選手とって欠かせない知識が得られるものが多いという。「知識があれば、スランプに陥っても抜け出しやすいはず。卒業研究では、自らの競技力向上につながるような研究に取り組んでみたい」と語る。女子サッカー部は、千葉さんのような日本代表経験者から、始めて間もないメンバーまで選手層の幅が広い。2年生ながら、千葉さんにはチームを引っ張る存在として期待がかかる。だからこそ、日々の練習では「常に自分に厳しくあること」を心掛けている。特別指定選手として、筑波大所属のまま、なでしこリーグのジェフユナイテッド市原でプレーする経験もした。レベルの高さを体感するとともに、「日本の女子サッカーを盛り上げたい」という気持ちが高まった。まずは、筑波大女子サッカー部をもっと強くし、もっと実績を残し、卒業後にチャンスがあれば海外でもプレーしたいと願う。「サッカーだけでなく、人間性も含めて応援してもらえるような選手になりたい」その目標に向かって、千葉さんは今も、成長を続けている。ユニバーシアードの対米国戦で2得点を挙げ、準決勝進出を決めた。ドリブル突破からシュートを決めた2点目は、自分でも会心のゴールだった。筑波大学の体育専門学群は、競技力の向上だけでなく、自分の取り組み次第で専門的な研究ができる環境があります。他の大学にはない大きな魅力です。競技面で悩んだり、戸惑ったりしても、学問的な知識があれば、支えになってくれると思います。後輩にひとことインカレ出場を決めて喜ぶ女子サッカー部人間性も応援される選手に千葉玲海菜さん女子サッカー部体育専門学群2年

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