TSUKUCOMM-47
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筑波大学には11の附属学校があり、それぞれの分野でわが国の教育をリードしています。各学校のユニークな先生や授業、行事などの活動を紹介します。国内外の「つながり」がもたらす■ 様々な体験の機会を提供する研究大会は2日間の日程で行われ、授業公開、生徒による海外体験の報告、参加者の勉強会、生徒たちの研究発表などで構成されます。全国各地の高校の教員約80人に加えて、生徒の保護者なども訪れます。授業公開では、「先生の講義を聞く」という座学スタイルは一つもありません。科目によっては、数人でディスカッションをするようなものもあれば、実習で各自が作業を行うものもあります。それぞれの授業で、ワークシートやホワイトボードを使うなど、自分の意見を明確にしたり、多様で具体的な体験が得られるような、ユニークな工夫が凝らされています。見学する他校の教員の眼差しも真剣です。体育館のステージでは、インドネシアで、森林保全に関するフィールドワークや1年間の留学を体験してきた生徒たちの報告が行われます。日頃から人前で発表することには慣れているとはいえ、現地での活動や交流の成果を自分の言葉で述べる様子は、とても堂々としています。東南アジアからの教育実習生を受け入れるSEA-teacher Programに参加している大学生たちや、台湾とタイからの留学生による日本語での発表などもあり、校内でもグローバルな体験ができる環境が充実していることがうかがわれます。午後からは3つの分科会に分かれ、参加した教員同士で、取り組み事例の報告やそれぞれが抱える課題について、忌憚のない意見交換が行われました。課題解決に向けたヒントを得るだけでなく、仲間を見つける場にもなっています。■ 農業高校から国際教育へ附属坂戸高等学校(筑坂)は、もともとは地域の農業高校でしたが、1994年に全国初の総合学科を開設して以来、モデル校として新しい教育の構築を目指してきました。農業や工業といった専門科目は今も続いていますが、産業技術そのものを学ぶのではなく、農業や工業を通して学ぶ、といった考え方に変わりました。また、国際教育にも力を入れ、2014年にはSGH指定校、2017年には国際バカロレア認定校となり、さらに今年度は、WWLコンソーシアム構築支援事業実施拠筑波大学附属坂戸高等学校附属学校めぐりWWL研究大会・総合学科研究大会 授業方法や生徒の学びの成果を紹介するために毎年開催している研究会。SGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)事業の後継として新たに採択されたWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業への取り組みを報告する機会とも位置付け、今回は「第1回WWL研究大会・第23回総合学科研究大会」として実施した。全国から、総合学科教育や国際教育に取り組む高校教員が参加し、活発な意見交換や交流が行われる。10

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