TSUKUCOMM-47
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「Engage Today. Empower Tomorrow.」は本校の教育理念です。本校は未来を拓く当事者として生きていくことのできる人材の育成を目指しています。そのために高校生である今この瞬間にも社会とのつながりを意識できるように、様々な学校外の組織とつながりをつくり教育活動を行っています。当然学校が用意できるつながりは限られますので、生徒達には自分でつながりを構築していくことが必要であることも伝えています。本校の研究大会では生徒の活動報告が数多く紹介されますが、その多くに生徒達自身が開拓したつながりとそのつながりによって学ぶことができた成果が表現されています。「明日をつくる。今を生きる。」そんな思いを教員も、生徒も大切にしている学校です。Engage Today. Empower Tomorrow. 深澤 孝之 副校長新しい学び点校となっています。国際教育へと舵を切った最初は、1997年の韓国での校外学習です。その後、オーストラリア、台湾、インドネシア、カナダなどの国々で活動や交流を続けてきました。教員にとっても試行錯誤の繰り返しですが、現地のリアルに触れる体験をきっかけに、想像力やコミュニケーション能力が高まり、さらに、社会課題への関心を深めたり、留学を決める生徒も多く、教育としての成果には手応えがあります。こういった取り組みの中で得た知見を他校にも参考にしてもらおうというのが、研究大会の目的です。筑坂だからこそできる部分もありますが、ほとんどは、どの学校でも応用できるもの。常連の参加者や参加校がいるというのも納得です。■ モヤモヤが晴れる筑坂の学び高校進学の際に筑坂を選ぶ生徒たちの中には、最初からここで学びたいという強い意思を持ってくる者ももちろんいますが、何かにチャレンジすることで、ずっと感じていた物足りなさが解消できるのではないかと期待して入学する者も少なくありません。筑坂での学びには、実際にものづくりをしたり、現地へ行ったりという体験の機会が盛りだくさん。そこから得られる気づきが、モヤモヤを晴らすきっかけになります。そういった多様な体験を通して、生徒たちは、いろいろなことを考え、自分のやりたいことを見つけたり、海外へ目を向けたりしていきます。大学受験を考えると、多様化・個別化を指向する総合学科は非効率的で、普通科高校や中高一貫校の方が、カリキュラムとしては有利であるというのが一般的な見方かもしれません。しかし高校時代にこれだけの体験ができるのは、ある意味とても「お得」です。多少、回り道になったとしても、この時期にしかできない豊かな体験は、視野を広げ、将来の可能性を開く糧になることでしょう。■ 「つながり」が開く世界への扉多様な学びの体験の場を生み出す鍵は「つながり」です。各地の大学や自治体など、国内外のいろいろなつながりがなければ、筑坂での学びは成立しません。単に生徒を海外へ送り出すだけでなく、現地の人々との交流も含めた実践的な活動をアレンジしたり、留学生やSEA-teacherの受け入れ、国内での校外学習など、学校の中だけで完結しないことが大切。準備は大変ですが、たくさんのつながりを通して、生徒たちは代え難い経験と学びを得るのです。そうは言っても、すべての生徒にこういった体験の場が十分に与えられるというのは、なかなか難しいことです。ですから、授業公開においても、自分の日常生活と世界がつながっていることが意識できるような内容や構成が、数多く提案されます。つながりを広げていくためには手間も時間も惜しまない、筑坂の教員たちのアイデアや試みが、全国の高校にも伝わって展開され、さらに新しいつながりを生み出す、この研究大会は、そんな好循環の起点になっています。     副校長(右)と研究大会を企画した建元喜寿主幹教諭11

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