TSUKUCOMM-50
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 身長157cm、体重49kg。アスリートとしては小柄だが、10月の日本陸上競技選手権女子走幅跳で2年ぶり3度目の優勝を飾った。まだ19歳ながら、既に日本の第一人者だ。 「日本ではマイナーな走幅跳の魅力を多くの人に伝えられる選手になりたい」と語る。 中学3年で全日本中学選手権優勝。高校では全国高校総合体育大会(インターハイ)を3連覇し、日本選手権も2連覇するなど、中高時代の活躍は目覚ましいものがあった。 だが、大学入学後、一時不調に陥った。高校までは指導者任せで練習をしてきたが、本学陸上競技部は「自分で考えること」を重視していたからだ。これに戸惑い、日本選手権は3連覇を逃した。それでも、1年生の秋には「このメニューは何のためかを理解し、練習を組み立てられるようになった」という。 「将来の選択肢の幅が広がる」と考え、本学への進学を決めた。多くの有力選手が競い合う環境があり、施設やスポーツ科学研究が充実していることも大きな魅力だった。「今思えば、1年生で良い経験ができた。指導者になった時にも役立つ」と感じている。 昨冬は、お尻の筋肉を集中的に鍛え、助走で地面を押す力を強化した。自主性を身に付け、人間的にも成長したこと、そして更なる努力を重ねたことが、2年ぶりの日本選手権優勝につながったのは間違いない。 実家は兵庫県で、一人暮らしは初めてだが、料理も掃除も好きで苦にならない。授業で学んだ栄養学の知識を活用し、同級生と一緒にレシピを考える時間も楽しい。試合前は炭水化物を多く食べるなどの工夫もしている。 今年度はコロナ禍で、学内の競技施設に4カ月近く入れなかったが、SNSなどを使い、陸上競技部員同士が励ましあった。「かけがえのない仲間たちばかり」だと実感した。 大学入学後の日課となったのが、起床時の心拍数の計測だ。先輩の研究へのデータ提供が目的だったが、研究終了後も続けている。 体調が悪い時や睡眠時間が短い時、試合を控え緊張している時などは心拍数が高い。その日の体調も同時に記録しており、自分の体調の流れをつかめるようになった。練習メニュー作りにも生かしている。 走幅跳の自己ベストは6m44。高校タイ記録だが、日本記録に42cm及ばない。6m後半の記録を出し、2022年の世界選手権に出場することが当面の目標だ。小柄な体で、世界に飛躍する日が着実に近づいている。Ayaka Kora自分がこうありたい、こうなりたいという強い気持ちを持つことがとても大事です。そうすれば、同じように頑張っている人が周囲に集まり、応援される存在にもなれると、私は大学に入って気付くことができました。後輩にひとことかけがえのない仲間たちと世界に通用する跳躍をしたい髙良彩花さん体育専門学群2年大学入学後に自炊を始め、お豆腐嫌いが克服できた。Ayaka Kora13

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