TSUKUCOMM-50
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 本学で発見された、高分子ポリフェノール MAF(Mitochondria activation factor)は、紅茶の発酵過程で形成されるカテキン重合物であり、マウスの脂肪肝形成を抑制する働きがあることが分かっています。また、MAF摂取と運動を併用することで筋持久力が向上することも、マウス生体を使って実証しました。2019年には、中高年女性対象のトレーニングスタジオを全国展開しているカーブスとの共同研究で、ヒト介入試験を実施し、低負荷のサーキットトレーニングとMAF摂取を組み合わせると、生活体力年齢若返りの効果が得られることを確認しました。このような効果を持つ成分はこれまで知られておらず、MAFはメタボやサルコペニアの予防につながる原末といえるでしょう。https://sme-univ-coop.jp/tsukuba-002メタボやサルコペニアを予防する発酵茶から抽出する高分子ポリフェノールMAF体育系 教授 武政 徹  学長特別補佐/特命教授 沼田 治  ●分野:食品体育系 教授学長特別補佐/特命教授 ●研究・技術シーズ❶研究紹介1産学連携プラットフォームは、大学や研究機関の知恵と知見を、共同研究、学術指導、技術移転などを通して企業に提供し、イノベーションを生み出すための場です。全国の16大学、1高専、3研究機関が保有する研究・技術シーズを、6つのカテゴリ(健康・医療機器、食品、環境・エネルギー、IoT・ロボット、次世代自動車、ものづくり)に分類して提案しています。ここでは、産学連携プラットフォームHPに掲載されている本学の研究・技術シーズ866件(2020年11月現在)の中から、代表的なものを紹介します。産学連携プラットフォームHP: http://sme-univ-coop.jp 人類は微生物資源を活用して、医薬品、食品、化成品、肥料や農薬、燃料などの生産や環境浄化を行い、豊かな生活を築いてきました。微生物は培養することで初めて、様々な性質を調べたり研究や産業の現場で利用できるようになります。近年、寒天培地を用いる従来の方法で培養できる微生物は、自然界の全微生物のわずか1%程度であることが分かりました。まだ発見されていない99%はダークマター微生物と呼ばれ、学術・産業界から注目を集めています。本学が開発した新しい培養プレートは、ダークマター微生物を培養できる可能性を秘めています。寒天培地とは異なる優れた特長があり、これまでは困難であった培養操作も可能です。有用なダークマター微生物を発見・培養・利用できれば、新たな医薬品、食品、肥料や農薬等の開発・生産、環境浄化によるイノベーション創成やSDGsへの貢献が期待できます。https://sme-univ-coop.jp/tsukuba-001いまだ培養されていない自然界の99%の微生物を培養できる新たな培養プレート生命環境系 教授 青柳秀紀  ●分野:環境・エネルギー生命環境系 教授 ●研究紹介221

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