TSUKUCOMM-51
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17研究・技術シーズ❷産学連携プラットフォームは、大学や研究機関の知恵と知見を、共同研究、学術指導、技術移転などを通して企業に提供し、イノベーションを生み出すための場です。全国の16大学、1高専、3研究機関が保有する研究・技術シーズを、6つのカテゴリ(健康・医療機器、食品、環境・エネルギー、IoT・ロボット、次世代自動車、ものづくり)に分類して提案しています。ここでは、産学連携プラットフォームHPに掲載されている本学の研究・技術シーズ866件(2020年11月現在)の中から、代表的なものを紹介します。産学連携プラットフォームHP: http://sme-univ-coop.jp隠れたリソースの前景化につながるアート・コレクション展示の理論と実践芸術系 准教授 寺門臨太郎  ●分野:ものづくり 美術作品を鑑賞するという行為は、作品を創造することと同様に、知的な生産活動です。従って、そのための場や機会を提供する「展示」もまた、創造的な営みといえます。ミュージアムという環境は、近代以降にできたものですが、美術作品は、そこに展示されることによって、アートとしての新たな価値を生み出します。 本学芸術系では、600点以上におよぶ美術作品や関連資料を所蔵しており、これらを「筑波大学アート・コレクション」として管理、活用するとともに、美術史の観点から、各作品の調査や分析を行っています。一方、美術作品の展示は、単なる配置作業ではなく、作品間の位置関係、照明の位置や角度、照度、壁面の色彩、題箋の位置などには、美術史研究によって得られた歴史的、理論的な背景が反映されています。つまり展示には、美術史研究の成果そのものが表れています。このような知見に基づいて構築された展示理論を活用し、さまざまなアート・コレクションに対して、作品が持つ隠れた価値やストーリーを提示する展示を創出します。http://sme-univ-coop.jp/wp/wp-content/ uploads/2019/03/1-8-1-terakado.pdf健康長寿の謎を探る~長寿遺伝子と健康~生命環境系 准教授 坂本和一  ●分野:健康・医療機器 植物が、紫外線や昆虫などの有害物から身を守るために作り出す化合物(ファイトケミカル)や、微生物などからの抽出物には、免疫力向上や抗酸化作用といった、健康に良い影響を与える作用があると考えられています。このような物質について、寿命を伸ばす機能があるとされる長寿遺伝子の働きを指標に、予防医学や抗老化に資するような機能性物質を探索し、応用する研究を行っています。 この研究では、線虫やマウスなどのモデル生物や培養細胞を用い、ファイトケミカルが持つ、寿命の延伸やストレス抵抗性、脂質代謝や糖代謝に対する作用、皮膚や筋肉、神経系などに対する生理機能を解析するとともに、その分子メカニズムを解明しています。また、香りや味、音といった感覚刺激がもたらす、寿命や肥満、ストレス抵抗性などへの影響や、内分泌系を介した心理的、精神的な作用も調べています。これらの科学的エビデンスを基に、機能性食品、サプリメント、医薬品、化粧品といったヘルスケア製品への応用展開を目指しています。http://sme-univ-coop.jp/tsukuba-022研究紹介3研究紹介4本学大学会館における筑波大学アート・コレクションの展示。2021/3/18線線虫虫((CC.. eelleeggaannss))線線虫虫がが人人類類をを救救うう??

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