TSUKUCOMM-51
9/20

09すれば、逆に学生として好きなことに集中できるようになるんじゃないか、と考えたんです。一年間、つくばから東京の会社に通ってインターンをしましたが、結構辛かった。でもつくばに帰れば同級生のルームメイトが応援してくれて、ずいぶん助けられました。 起業したおかげで、学生生活も充実しました。図書館で過ごすことが多くて、広々しているし、周りがみんな筑波大生だという安心感がありましたね。ビジネスコンテストに応募したり、クラウドファンディングで資金集めをしてみて、やりたいことをきちんとプレゼンすれば、支援してくれる人がいることが分かったのも、大きな自信になりました。 一つだけ心残りなのは、キャンパスにすごくたくさん外国人がいたのに、交流できなかったことです。もったいなかったと思います。現在の活動に対する手応えは どんな感じですか ここは自分自身の地元ではないのですが、このまちにずっと根ざしていきたいという思いがあります。地域の人とつながりながら、訪れる人に、自分たちの日々の生活でいいと思う場所を紹介したりするのも楽しいです。 デニムのデザインへのアイデア出しなんかも、できるようになってきました。素材を見て、自分たちらしく着られるデザインを考え、何度も試作します。縫製や加工の知識は足りないので、その部分は工場の人たちと相談しながら進めます。工場と直接連携できるのは、地域に密着している強みですね。完成までに半年以上かかるので、今はもう次の秋冬のことを意識しています。時々東京へ行って、販売や広報をしたり、新しいプランを練ったりということもやっています。 ジーンズって、かつてはこだわりのアイテムで、高価なものもありましたが、若い世代にはそういう感覚はあまりなくて、安価にもなっています。それでも、長く着ていると色や風合いが変化していく魅力があります。普段着だけど、ちょっと違う、愛着を持てるものが欲しいと思っている人に届けていきたいですね。後輩たちに向けてメッセージを 筑波大は、すごく親近感があって、卒業後も愛着が湧く場所です。学内だけでなく、まち全体で学生を応援してくれていると感じます。だからぜひ、つくばという場所で自分なりの活動を見つけて欲しいと思います。起業も含めて、いろんな活動への支援体制もあるし、社会との交流もしやすいので、そういう機会も利用して、有意義な学生生活を送ってください。PROFILE やまわき ようへい1992年 兵庫県生まれ2018年 社会・国際学群社会学類卒大学在学中の2014年、実の弟とともに「EVERY DENIM(エブリデニム)」を立ち上げ。瀬戸内地域のデニム工場と直接連携し、オリジナル製品の企画販売をスタートする。2017年「forbes 30 under 30」アジア版に選出される。2019年岡山県倉敷市児島に宿泊施設「DENIM HOSTEL float」をオープン。2020年ブランドを「ITONAMI(イトナミ)」にリニューアル。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る