TSUKUCOMM-55
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開発研究センター紹介17開発研究センターは、外部資金を事業運営費として、社会的要請の高い学問分野での共同研究開発を積極的に推進し、産学官の共同研究体制を構築するため、国際産学連携本部のもとに順次創設されています。発足順に、各センターの活動を紹介します。プレシジョン・メディスン開発研究センター2017年1月1日発足センター長 佐藤 孝明 教授https://rdcpm.tsukuba.ac.jp/日本を代表するオミックス解析センターとして大きく成長を遂げ、我が国初の1000ドルゲノム解析研究を達成した拠点です。次世代超ハイスループットヒト全ゲノム配列解析システムや質量分析システムを用いて、科学的証拠に基づいた、がんやさまざまな先天性代謝疾患等の病気の診断と発症メカニズムの解明を行います。また、予防・先制医療研究の機能を兼ね備えた人間ドック「つくば予防医学研究センター」とも連携し、国内外の最先端の研究機関と共同研究を推進しながら、個人に最適の治療や薬の選択につながる「プレシジョン・メディスン(個別化精密医療)」の基盤研究と、その社会実装を目指します。未来社会工学開発研究センター(F-MIRAI)2017年4月1日発足センター長 山海 嘉之 教授https://www.f-mirai.tsukuba.ac.jp/学際性あふれる未来開拓のための産学連携拠点です。カーボンニュートラル、モビリティ、SDGs、インクルーシブ、デジタルヘルスなどを念頭に、「未来社会のモビリティ・インフラの先端研究拠点の形成」を一つの軸とし、医学・サイバニクス・AI・情報数理・芸術・体育・ビジネスサイエンス・社会工学などの分野を融合して、未来産業創出と社会課題解決のための研究を推進しています。例えば、移動式のヒト睡眠検査室(移動睡眠ラボ)の開発は、高齢者等、通常の睡眠検査室への来訪が困難な場合でも、同等レベルでの睡眠計測を可能にしました。「共創」をキーワードに、住民が利用者の視点で研究開発や社会実装等に関わり、そこから見出される新たな気づきを共に展開する地域連携のスタイルを構築し、未来開拓に取り組んでいます。ヒューマンセントリックな革新的都市の実現と地域の自立的な存立Society5.0を実現するモビリティ・インフラの先端研究拠点ⓒトヨタ自動車ⓒトヨタ自動車地域の存続国際統合睡眠医科学研究機構サイバニクス研究センターシステム情報系未来社会工学開発研究センター(通称、F-MIRAI)は、筑波大学とトヨタ自動車(株)によって、「Society 5.0 を実現するモビリティインフラの先端研究拠点」として設立されました。サイバニクス研究センター長、内閣府の FIRST、ImPACT プログラムの責任者としての経験を活かし、当該センターの長として責務を果たします。社会工学等を中核とした研究者との連携、国際統合睡眠医科学研究機構やサイバニクス研究センターなどと連携し、学際性ある融合研究を強化して、組織的な産学官連携による拠点形成を進めます。2021年度は、「モビリティイノベーションの社会応用と未来社会工学研究 ~ヒューマンセントリックな革新的都市の実現と地域の自立的な存立の貢献に資するための研究~」を中心に、産学協働によって素晴らしい成果が得られるよう取り組んで参ります。山海嘉之センター長社会課題解決のための研究を推進するF-MIRAI移動式のヒト睡眠検査室(移動睡眠ラボ)「まほろ」(ゲノム解析前処理)熟練テクニシャンの手技を正確に再現し、汎用実験器具を使用してバイオテクノロジーにおける各種実験作業を行うことを可能とするヒト型汎用ロボット。「NovaSeq」(次世代シーケンサー:ゲノム解析装置)遺伝子を構成するDNAの配列を大規模並列で読み取ることにより、大量のデータ量からなるゲノムや遺伝子発現データとなる転写産物(トランスクリプトーム)などを超ハイスピードで解析する装置。写真:ロボティック・バイオロジーインスティテュート株式会社提供

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