TSUKUCOMM-57
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PROFILE かげさわ じゅんいち1979年 東京都生まれ2004年 理工学研究科修了2004年 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)入社2020年 株式会社NTTe-Sports副社長11会って、優勝者以外は全員敗者でしょ。それだとほとんどの参加者は楽しくない。そうじゃない世界を作りたいと思いました。 好きなことを仕事にすると純粋に楽しめなくなってしまうので、直接的にゲームを開発したり売ったり、というような業種は考えませんでしたね。それまでの自分の活動ができたのは、インターネットのおかげによるところがとても大きかったこともあり、仕事としては通信分野を選びました。時代的に、ちょうど通信技術とゲームが同時に発展していったような時期で、これは自分がやらなきゃ、っていう気持ちになりました。 うーん、そうなんですけど、正直、微妙ですね。もちろん、やりたいことがやりやすい環境だとは思います。でも、仕事にすると自分が好きだからやっていたことが、今度は稼ぐことの手段になってしまい、純粋に楽しめなくなってしまう、そんな瞬間が少なからずあります。イチローさんも似たようなことをおっしゃっていましたし、そこはやはり日々葛藤しますね(笑 それでも、ゲームに関わる仕事をする大人が、ハッピーに働いているように見えなければ、次の世代の人たちの夢や目標を壊してしまうことになりますよね。ゲームばっかりやっているとろくな大人にならない、と言われてきたのを覆さなければならないという思いもあります。好きなことをやり続けてもそれなりの仕事や社会的地位に就けるということを示すべき立場にいる、という自覚はあります。自分自身がもっと楽しめるためにも、そのあたりを乗り越えていきたいと思っています。 筑波大は、面積だけでなくて懐も広い大学です。その中にいる時は気づかないかもしれませんが、良い意味でも悪い意味でも変わっていて、すごくいい経験をしていると思います。だから筑波大そのものをよく見て、好きになってほしいし、将来、折に触れて帰ってきたいと思えるような場所にしてほしいです。 教員にも学生にも、すごいと思える人がなにげにたくさんいる、というのも筑波大らしいところですよね。それが刺激にもなります。東京へのアクセスも良くなりましたが、そっちに気を取られ過ぎずに、筑波魂(もうそんな言葉は通じないかもしれませんけど)と、たくさんの経験を得てください。なにかに集中できる、没頭できる環境を利用しないのはもったいないですよ。結局、好きなことが仕事に なりましたね。筑波大の後輩たちへメッセージをぜひお願いします。する

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