TSUKUCOMM-58
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開発研究センターは、外部資金を事業運営費として、社会的要請の高い学問分野での共同研究開発を積極的に推進し、産学官の共同研究体制を構築するため、国際産学連携本部のもとに順次創設されています。発足順に、各センターの活動を紹介します。 半導体をはじめとするナノテクノロジーや機能デバイス等の材料科学分野、および、病理診断等の生命医学関連分野に資する、物質の構造や性質を精密に解析するための、光・電磁波、音波、電子・粒子線、ナノプローブ等を⽤いたさまざまな評価方法と、これらにより得られた計測データを解析するための革新的技術の研究を行っています。 具体的には、陽電子消滅を⽤いた金属・半導体・高分子などの評価技術、原子レベルの空間分解能で局所構造や電子状態を確認しながらフェムト秒の時間分解能で分光可能な新しい計測技術の他、走査電子顕微鏡による低真空状態での有機物や生体試料などの観察技術、光と信号処理による形態計測方法などの開発を目指しています。また、スパースモデリング(少ない情報から全体像を推定する⼿法)を中心とした機械学習によるインテリジェント計測・解析⼿法の開発とその応⽤にも取り組んでいます。 我が国では少子超高齢社会が進みつつあり、生活習慣や老化に起因する、循環器、運動器、精神神経、代謝、免疫などに関連した慢性難治性疾患が増加しています。このような中で、全ての人々が、それぞれのライフステージで、生き生きと、健やかに、安心して生活できるための医療ニーズを見据えた研究に取り組んでいます。 本学ではこれまでに、がん、免疫難病、アレルギーなどに対するさまざまな創薬シーズを発掘してきており、これらの知見に基づいて、製薬企業と連携して実⽤化に向けた開発研究を推進し、慢性難治性疾患に対する医療の発展に貢献します。また、これを通じて、開発研究と医療産業の活性化の好循環を創出するとともに、産学連携と外部資金獲得の拡大、先端基礎研究の活性化や若⼿人材育成といった波及効果を生み出すことも目指しています。センター長 伊藤 雅英 教授センター長 澁谷 彰 教授https://idd.md.tsukuba.ac.jp/index.htmlhttps://imc.bk.tsukuba.ac.jp/2019年10月1日発足2019年10月1日発足陽電子消滅を⽤いた材料評価装置。国内外のさまざまな企業・研究機関と共同研究を進めている。蛍光活性化セルソーターによる細胞解析卓上サイズの走査電子顕微鏡。低真空状態での操作ができ、これまで電子顕微鏡観察が難しかった有機物や生体試料なども観察可能。疾患モデルマウスによる病態解析17イノベイティブ計測技術開発研究センター革新的創薬開発研究センター開発研究センター紹介

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