TSUKUCOMM-58
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05見つけて、目的のことがらを最大化もしくは最小化する、というのが最適化の役割です。社会全体について当てはめると、エネルギーや情報、サービス、人材といった資源をどのようにしたら最も良く活用できるか、ということでもあります。考慮すべき条件や選択肢を数理モデルに入力し、アルゴリズムに従って、少しずつ条件を入れ替えながら計算して最適解を求めます。モデル化されているので、条件が変更された場合でも簡単に計算し直すことが可能です。の目玉となる新システムですから、ぬかりなく運営しなくてはなりません。1年次で幅広くさまざまな分野を学んだ後に、志望の学類に移行する仕組みで、希望する移行先の学類に応じて専門導入科目を履修しておく必要があります。ところが、各学類が設定した科目をすべてカリキュラムに配置しようとすると、時間割に収まらなくなったり、時間帯が重なって必要な科目が履修できなくなったりという事態が発生します。学生が希望する科目を履修できるように時間割を組むのは、実は至難の業なのです。 そこで登場するのが最適化です。各学類が設定する専門導入科目をできるだけ減らしつつ、初級・中級・上級など、履修の順番が決められている科目や、開講できる曜日システム情報系 教授最適化で社会が機能する 宅配の配送システムや、看護師の勤務シフト、移動ルートの探索など、私たちの暮らしには、いくつもの制約条件を満たしながら、スケジュールや人員配置が緻密に管理されている場面がたくさんあります。また、地域の開発なども、そのエリアの特徴やそこに住む人々の動向などに基づいて、みんなにとって住みやすい街になるように計画されています。これらのシステムを支えているのが最適化という手法です。直接的に意識することはないかもしれませんが、こういった仕組みがうまく機能していることで、便利で快適な社会が成立しています。 なかなか両立しない条件の落とし所を学内の課題も最適化で 筑波大では、2021年度から総合学域群という新しい学群が設置されました。大学吉瀬 章子

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