TSUKUCOMM-58
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これからパリ店をどのようにしていきたいですか。筑波大生に向けてメッセージをぜひ。PROFILE いちはら じゅんこ大分県大分市出身 1993年 筑波大学 第一学群人文学類卒業1993年  株式会社虎屋 入社  ネージメントに携わる©Toraya©Taisuke Yoshida©Taisuke Yoshida©Taisuke Yoshida社長室企画課、東京工場製造課、海外営業部勤務を経て1996年 トラヤフランス出向 とらやパリ店店長2000年 株式会社虎屋 退社2000~2005年  パリの美術品市場専門学校修了後、パリと芦屋市にて仏菓子商品企画、ブランドマ2005年 株式会社虎屋 復職2006~2015年、2018年~ トラヤフランス支配人2014年~ 株式会社虎屋 取締役09事がしたいという思いがずっとありました。というのも、海外旅行の中である時、「日本はイギリスで車を作って、ヨーロッパの車として売っている。それはずるい」と言われたことがあったんです。その体験が衝撃的で、ビジネスは摩擦を生むと感じました。それで、世界の人と仲良くなるには、ビジネスではなくて文化だと。たまたま就職情報誌を見ていたら、虎屋のページに海外営業の職種別採用があって、受験してみることにしました。 実際に会社訪問をしてみると、面接のたびにお土産をくれるし、とても温かくていい雰囲気でした。入社後3年間は、本社の事務部門、製造部門をまわったあと、パリ店とニューヨーク店の支援をしていた海外営業部に籍を置き、社内外で営業研修を受けて、トラヤフランスに出向になりました。 仕事で使うフランス語は、大学で学んだものとは違います。特に電話は、自分が外国人だと相手には分かりませんから、最初は怖かったですね。居留守を使ったこともあります。慣れるまでに数年かかりました。度胸がついたというか。そういうことも含めて、フランスでの仕事は、大変ながら、やり甲斐がありました。 おかげさまで、パリ店は地元に根付いていて、親子3代で来てくださる方もいます。長く携わってきて、やはりそれはとても嬉しいことですし、これからもそういう場所であって欲しいです。ただ、そろそろ次世代に引き継がなければならないとも思っています。 その前に、パリから和菓子の魅力を世界に発信したいんです。パリでは、来年、ラグビーのワールドカップがありますし、再来年にはオリンピック・パラリンピックが開かれます。世界中からたくさんの人が訪れるチャンスです。東京オリンピックでは観客を迎えることができませんでしたから、そのリベンジも兼ねて、パリで和菓子を知ってもらえるように、盛り上げていきたいと考えています。そうして、新しいToraya Parisへとつなげていきたいです。 筑波大の特長は、総合大学であることと、留学生が多いこと。新しい分野も生まれていますから、自分の専門分野以外にも、公私共に視野を広げて、そしてたくさんの人と出会ってください。振り返ってみると、学生時代はあっという間に終わってしまうものですから、この間に、できるだけ多くのことを経験してください。また、社会人になってからも、学び直しに戻ってくることができる場所としても、あり続けて欲しいと思います。世界に

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